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渋谷のヒカリエにある結婚式場。そこにある窓からはハロウィン色に染まった街が見渡せるほどだった。まさに、絶景という言葉が似合う。
子供たちと一緒に景色を眺めていた優樹菜も思わず感嘆の息を零す。
「騒がしくってすみません」
「賑やかでいいですよ」
苦笑交じりに蘭が謝れば、クリスティーヌは楽しそうに微笑んだ。村中が小五郎の容態を訪ねれば、蘭は意識が戻ったことを報告していた。
それを少し聞いていた優樹菜も少し安堵したようだ。
「・・・・なあ、ちょっといいか?」
『うん?』
ふと聞こえて来た声に視線を落とせば、何やら真剣な顔でこちらを見上げているコナン。優樹菜は少し辺りを気にしたのち、コナンに目線を合わせるようにしてしゃがんだ。どうしたの、と訊けば、コナンは一気に顔を顰める。
その口元から発せられた言葉は、優樹菜を驚かすには十分すぎるものだった。
「オメー、三年前に今回の犯人と会ったことあるだろ」
『・・・・どういう推理?』
「ちょっと公安の人に聞いてな。調べたらそういう結果になったんだよ。で、どうなんだ。何かわかってることとかないのか?」
『なんで公安・・・。・・・正直、私も知ってることは少ないよ。知ってるのは、右肩を怪我してたことくらいかなあ。あとは、銃を持ってるってこととか』
「性別とか、声とかは?」
『一瞬だったからそこまでは・・・・というか、そこまで調べたのなら知ってるんじゃないの?私、足を少し撃たれただけだよ。掠り傷程度だけどね』
呆れたような口ぶりな優樹菜だったが、コナンは少し考え込むような様子を見せていた。
・・・・・まあ、今の段階ではまだ謎は解けないよね。
正直、この物語の大半を忘れてしまっている優樹菜は何も言えずにいた。だって、一度起承転結を見たにも関わらずすべて忘れてしまってるのだから。マジでどんだけ無知なんだ。
「はい、どうしたの?ええ、・・・え?あの、このあと打ち合わせがあって・・・もしもし?もしもし?」
そんなことを考えていれば、背後からクリスティーヌの困ったような声が聞こえて来た。どうやら、誰かと電話をしていたようだ。内容は「友達が渡したいものがあるから来て欲しい」とのことだった。
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ゆゆ(プロフ) - yumさん» 初コメありがとうございます〜!最近忙しくって更新できていませんでしたが、今日は頑張って更新させて頂きます! (2023年4月17日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
yum - 初コメ失礼します!この作品めちゃくちゃ面白いです!更新頑張って下さい🙌応援してます📢 ̖́- (2023年4月12日 19時) (レス) @page7 id: 078a32e2da (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 花音さん» 初めまして!そう言っていただけて嬉しい(*^-^*)♡ありがとうございます! (2023年3月21日 17時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
花音(プロフ) - 初めまして♪凄く面白かったです( ≧∀≦)ノ続きがとても気になります( ;`Д´)これからも応援してます(^○^) (2023年3月20日 11時) (レス) @page7 id: c9954f1e86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年3月18日 23時