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しかし、銃弾が優樹菜に届くことはなかった。優樹菜との間に誰かが割り込み、それを異能力で防いだ人物がいたからだ。
「まったく・・・・手前、相変わらず嫌なことしてくるな」
『私を見張れ、と命令されていたんでしょう?以前尾行が私にバレているから少しの距離を保って来ていたそうなので、銃声で示しただけです』
「銃声三発・・・ポートマフィアが敵を仕留める時の発砲だ。よく判ったな」
『以前、太宰さんから教えられていたので』
黒い外套と帽子。身を黒に包んだ人物____中也は異能力を解除し、銃弾を地面に落とす。
くすくすと笑う優樹菜に若干呆れ気味だが、すぐに意識を地面に伏せる彼女の両親に向けていた。彼らも知っていたのだろう。相手が、あのポートマフィアの幹部であると。
一気に顔色が悪くなる。冷や汗を流し、体は震えていた。
「手前ら・・・この前はよくも、俺の部下に手を出してくれたな」
「ち、違う!それはこの女だけで・・・!」
「はあ!?違うわよ、あなたが勝手にしたんでしょ!?」
『・・・・醜い争いですね』
「お前も大概肝座ってるよな、相変わらず」
持っていた銃とナイフを適当に放り投げて捨てる。
コイツらどうするんだ、と中也に問われ、優樹菜は少し考える。
正直に言うと、これでも実の両親だ。・・・・殺す、というのは流石に避けたい。けど、どちらにせよ彼らは死ぬ運命だろう。政府に捕まっても、ポートマフィアに捕まっても。彼はやりすぎてしまったのだ。
「だが・・・・俺達を殺しても、目的は変わらないぞ」
「あ?どういうことだ」
「そのままだ。だから・・・これだけでは終わらない!」
男が何かを取りだす。まだ凶器を持っていたのか、と思ったが違った。それはボタンで、彼が押した瞬間その場に爆発音と爆風が吹き荒れた。
目の前にあった建物が爆発したのだ。幸いな事にそれは廃墟だったので中に人はいなかったみたいだが・・・・。
「おいおいマジか」
爆発した建物の瓦礫が、雨のように優樹菜達に降り下りてきた。
『・・・・・・異能力_____「
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ゆゆ(プロフ) - こはさん» 猟犬、いいですよね!私も推してます!アンケートありがとうございます! (2023年3月23日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 日傘さん» そう言ってもらえて嬉しいです!私は今年から受験生なので、今のうちに…って感じです!(笑)アンケートありがとうございます! (2023年3月23日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
こは - こんにちは。ゆゆさんの作品とても面白いです。私は「梅雨に咲く花」がいいです。個人的に猟犬が好きだからです。お願いします。 (2023年3月23日 12時) (レス) @page34 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
日傘(プロフ) - とても面白かったです!その上更新スピードが…とても速い…!!とてもとてもすごいです…(?)続編ならこの作品が良いです!どの作品でも楽しみに待ってます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page34 id: 9477fd6c3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 審神者は霊力豊富さん» 記念作品第一弾!猟犬が大好きな私好みのものでした(笑)アンケートありがとうございます!! (2023年3月22日 19時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年3月11日 22時