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「一羽の蝶?」

「姐さん知らないか?夕暮れ時に現れる、一羽の蝶_____まあ、その正体はまだ子供の女らしいけどな」


嗚呼・・・と樋口は納得した。だけど、その一方で何かが引っかかる。そう、例えば。


______さっきの蝶、どこかで見覚えが・・・・・。

つい最近、どこかで見たような気がした。だけど、中々思い出すことができず、諦めることしかできなかった。


考え込む樋口に対し、立原は怪訝そうに「どうかしたか?」と問うた。樋口は首を横に振ると、前へと歩き出す。倉庫の外に出ると、大きな月がヨコハマを照らしていた。港ということもあり、水面に映る月が神々しい。

周囲を見渡しても、その蝶とやらの少女は居ない。やはり、もうどこかへと消え去ったのだろう。



「一羽の蝶・・・・また、会えるといいんですけど」


怪我を癒してくれた礼くらいは、人としてしておきたい。人の命を奪い、奪われかけてきた身のポートマフィアだが、そのくらいはいいだろう。そう思うことこそが、人間の本質なのかもしれない。

樋口は、束ねていた髪をおろした。風に、綺麗に切りそろえられたショートカットが波に乗った。




そして、その光景を、別の建物の屋根上から見ていた一人の少女がいた。彼女の手には、可愛らしい包装に包まれたお菓子があった。それを口に運びながら、少女は「あーあ」と吐息を吐いた。



『最近、夕暮れ以外での活動も増えてきちゃったなあ。・・・・ま、いっか。あのお姉さんが無事なら』



______イチョウのハンカチを落とした、あの女性・・・樋口から貰ったお菓子を頬張っていた優樹菜は、屋根の上に座って足を組む。彼女の黒い瞳に光を宿すかのように月が映り込んでいた。

乱れる髪を手で抑えている様子の樋口を遠目で見ながら、優樹菜は笑みを零す。それと同時に、心の中で焦燥も感じ取った。




『・・・・あれ、あのお姉さんってもしかしてポートマフィアだったの・・・・?』




目、付けられたりしないよね?

嫌な予感を募らせながらも、「姿は見られてないから」という理由で心を落ち着かせる。半ば無理矢理だ。だけど・・・・あの人の苦しむ様は見るに堪えなかったから。


話した時、笑顔が可愛くて綺麗な人。

・・・・・そんな人を、私は救いたいから。






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ゆゆ(プロフ) - こはさん» 猟犬、いいですよね!私も推してます!アンケートありがとうございます! (2023年3月23日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 日傘さん» そう言ってもらえて嬉しいです!私は今年から受験生なので、今のうちに…って感じです!(笑)アンケートありがとうございます! (2023年3月23日 20時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)
こは - こんにちは。ゆゆさんの作品とても面白いです。私は「梅雨に咲く花」がいいです。個人的に猟犬が好きだからです。お願いします。 (2023年3月23日 12時) (レス) @page34 id: b559896119 (このIDを非表示/違反報告)
日傘(プロフ) - とても面白かったです!その上更新スピードが…とても速い…!!とてもとてもすごいです…(?)続編ならこの作品が良いです!どの作品でも楽しみに待ってます! (2023年3月23日 2時) (レス) @page34 id: 9477fd6c3a (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ(プロフ) - 審神者は霊力豊富さん» 記念作品第一弾!猟犬が大好きな私好みのものでした(笑)アンケートありがとうございます!! (2023年3月22日 19時) (レス) id: ee2abfb454 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆゆ | 作成日時:2023年3月11日 22時

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