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美少女 24 ページ26

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「おっ、お待たせ!」


昼休み前の授業が終わり、私は急いで体育館裏にやって来たつもりだったが及川に先を越されていた。



「でっ?な、な、何の用?」



"返事、聞かせてもらえるかな”

とか言おうと思っていたはずが、シミュレーションとは全く違う言葉が飛び出てきた。しかも情けない震え声で。…早速失敗しちまった。



「…あのさ、」



と口を開いた及川は、いつもより真剣な面持ち。


私のために少なからずは悩んでくれたんだ、
なんてこんな状況だけど嬉しくなってしまう自分がいる。



「えっと」

「ハイ」

「その〜」

「ハイ」

「ま、まずですね…」



ーー何だコレ。

とりあえず頭に浮かんだのがそんな思いだった。


珍しく緊張しているのか全く本題に入らない及川と、同じく緊張して「ハイ」としか言えない私。

事情を知らない他の人からしたら、この光景はどう見えるんだろうか。




「…………」


「……いや何か言えよ!」




あの〜とかその〜とか言ってた及川がついに黙り込み、しびれを切らした私は思わず大声をあげてつっこむ。

もう嫌だ今日ぐらいは大人しくしようと思ってたのに。



「どんなこと言われたって傷つかないし、泣かないから!
もういっそ早く言ってよ!」


私がそう言うと、覚悟を決めたのか及川は大きく深呼吸をした。




「……俺、藤原とは付き合えない」



真剣な表情で伝えられて、さっきの宣言はどこにいったのやら、胸から何かが込み上げてきて、
目頭が熱くなってきた。

私はとっさに目をこすって誤魔化したが、及川には隠すことができなかったようで。



「…泣いてるじゃん」

「まだ泣いてないし」



子どもをあやすように、及川は私の頭を撫でてきた。

…この期に及んで、まだそんなことするか女ったらしめ。




それから及川は、私が落ち着くまで黙って隣にいてくれた。

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ななうら(プロフ) - rioさん» コメントありがとうございます!!続編は、また話とかを考えてから書かせていただこうかなと思ってます! (2015年9月25日 17時) (レス) id: fa90d567e6 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - なんかこの続編とか見てみたいです!面白かったです!完結おめでとうございます! (2015年9月25日 0時) (レス) id: a7b5d53f58 (このIDを非表示/違反報告)
ななうら(プロフ) - ミントカラー親衛隊さん» ありがとうございます!!面白いと言っていただけてすごく嬉しいです(*^^*)これからも頑張ります! (2015年9月20日 18時) (レス) id: fa90d567e6 (このIDを非表示/違反報告)
ミントカラー親衛隊 - すごい面白いです!!なんか話の内容とか文の表し方とか…ドストライクです!!これからも更新頑張ってください!応援してます!(*´∀`*)b (2015年9月20日 18時) (レス) id: 6224f0c197 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななうら | 作成日時:2015年9月19日 20時

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