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第36符 ページ44

部屋に戻り、将棋一式を従業員に運ばせた時には既にお昼を回っていた。




将棋盤を挟み、天馬と向かい合って座る。


天「んじゃ、始めるか。」


貴『うん。どっちが先攻?』


天「んじゃこの王使って同時に将棋盤に落として、表が出た方が先攻、裏が出た方が後攻。」

貴『おっけ。じゃあいくよ、せーの、』


―――パラパラッ。



Aは裏が出た。
そして天馬は表。これで先攻と後攻が決まった。


天「じゃあ始め〜。」


――――パチンッ。



――パチンッ。


―――パチンッ。


始めてからすぐにお互い猛攻だ。


貴『へえ意外。』

天「何が?」


次の手を考えながら視線を将棋盤からAに移す天馬。


貴『将棋もまぁまぁ出来るんだって思って。』

そう軽く挑発しながら
天馬が次どう攻めてくるか観察してみる。
今王は守りを固めてるからここから王手を作り出すのは至難の技。
だとすると、取りたいとすれば飛車か金といったところか。
幸いか不幸か、今ちょうど私の金は相手の懐に入っているからかなり行動範囲が広くなっている。
そう考えていると、天馬が次の一手を決めたようだ。



天「まぁまぁじゃねぇ、かなり。だな。」

と言って自画自賛。


それに対して少しだけムスッとした私はすぐに手を返した。


―――パチンッ。


相手の裏をかいて、自分の角で一気に攻めてみる。



貴『はい、角取り〜。』


天(やっぱりその手できたか、馬鹿だな。)


天「......((フッ。)からの金取りー。」


貴(.........ムスッ。
............絶対負かす)


―――パチンッ パチンッ。


その後数10分にわたり
名人戦レベルの激しい打ち合いをする2人。



貴『......私を挑発するなんて百万年早いよ。』



――――――パチンッ。


―――パチンッ。


――――パチンッ。


貴「飛車取ったりー。からの...王手。」




天「ふぅん?
仕方ねぇ、今回は負けを認めてやるよ。」

笑いながら言う天馬。
ほんとはもっと悔しがって欲しかったのに、少し悔しいが勝ったからいいだろう。


貴『今回だけじゃなくてこらからもだけどね〜。』


皮肉をたっぷりと込めた笑顔でそう答えた。


天「んじゃ、第2戦といくかぁ。んん?」


さっきよりやる気満々でまた駒を並べ始める天馬。

貴『え、もっかいやるの?』


少し戸惑う私。
実は今の第1戦目はかなり危ない感じで勝てたのだが、問題は結構お互い互角くらいだった、という事だ。

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設定タグ:十二天将 , 双星の陰陽師 , 天馬   
作品ジャンル:恋愛
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Laven(プロフ) - 天馬は土御門有馬のことを有馬とは呼びませんよ。 (2020年10月27日 10時) (レス) id: 6c7fad0c5e (このIDを非表示/違反報告)
徒花 - この作品初めて見ましたが面白かったです!頑張ってください (2019年4月13日 17時) (レス) id: 5d280f12f7 (このIDを非表示/違反報告)
めり(プロフ) - 龍黒点ってことはアニメ沿いなんですね! (2018年12月25日 18時) (レス) id: fff5b31823 (このIDを非表示/違反報告)
Oliver(プロフ) - 蘭花☆♪さん» 漢字変換間違ってましたよね、すみません。後々直していきます。ありがとうございます。 (2017年3月7日 23時) (レス) id: 6215888b9e (このIDを非表示/違反報告)
Oliver(プロフ) - 魚の鱗さん» お疲れ様です。ありがとうっす、その言葉励みにして2章も頑張りますわ。全然大丈夫っすよ〜無理せずに。 (2017年3月7日 23時) (レス) id: 6215888b9e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Oliver | 作成日時:2017年2月9日 8時

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