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「イム・ユナ」
「......はい」
卒業式の一週間前に私は声をかけられた。
この人、ジミナの担任だ。わざわざ離れた映像作成科の教室に来るなんて......
一体何のつもりかと言いたいけど何しに来たかは分かってる。
この先生、ジミナの才能に心底惚れ込んでいるから。
「少しいいか」
「はい」
連れてこられたのは進路相談室。ジミナの担任と向かい合うようにして座る。
何となく複雑な心情になる。この担任はジミナの夢を否定したい訳では無い、と、信じたい。
ジミナの現代舞踊、すごいもんね。私も、好きだよ。
「お前の方からパク・ジミンを説得してくれないか？」
「......どうしてですか」
「あの才能を、アイドルという不確かな環境で潰してしまいたくない」
あら、すごく渋いお顔。
現代舞踊の世界も結構不確かなものじゃないかな。
「先生」
パイプ椅子を引いて席を立つ。
更に渋い顔をする先生に深く頭を下げる。重々しいため息が聞こえた。
「ごめんなさい。私は、応援すると決めました」
「......そうか」
「失礼します」
扉を開ける前にふと、伝え忘れていた事があると思い出して振り向く。先生と目が合った。
そんなに露骨に目を逸らさなくても......こんなことでセクハラで訴えないよ。
「ジミニの夢を、“なんか”って言わないでくれて、ありがとうございます」
「！！」
「今度こそ失礼しますね」
教室を出たら、ジミンが蹲っていた。
チンッッッッッッチャびっくりした。可愛いお顔が泣きそうに歪んでたから更にびっくりした。
「ジミナ」
JM「......ありがと」
「さ、教室に戻ろ」
JM「うﾞん」
「最近のジミナは泣き虫さんだねぇ」
JM「うるさい」
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作者名：Yuna x他1人 | 作成日時：2022年4月2日 9時
