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ころん side
そう言えば , まだ1箇所確認していない場所があった .
「 ここAちゃんの部屋なんだ … 」
「 僕は入ったことないから確かではないけどね 」
「 … 携帯忘れてるだけならいいんだけど 」
未だ鳴り続ける着信音に , そろそろ恐怖を覚えてくる .
この扉を開けた向こうには , 何があるのか .
久しぶりにこんなに恐怖心に包まれる .
再び震える手でドアノブに手を掛けると ,
「俺が先に確認してあげる」
そう言って莉犬くんが僕を押し退けて扉を思い切り開けた .
玄関のルームフレグランスとは違う香りなのだろうか ,
嗅いだことのない不思議な香りが鼻腔を通り抜ければ嫌な鳥肌が立つ .
「 あー , 携帯忘れてるっぽい 」
ほら , とAちゃんの物らしき携帯を莉犬くんは掴んで僕に見せてきた .
とりあえず , この部屋をざっと見回した感じでも , Aちゃんは居なさそうだし鍵の閉め忘れが濃厚かな .
「 全く , 不用心すぎでしょ … 」
安堵から , 女性の部屋だが床に座り込んでしまう .
とりあえず待ってたら2人とも帰って来るだろう ,
さとみくんには申し訳ないが部屋でゆっくりさせてもらおう .
そう思い , 下に降りた視線を僕は立ち上がる為少し上げた .
「 … あ , え 」
あるものが視界に入り込んだ瞬間 , 急に息苦しくなる .
全身がガタガタと震え始める .
ボロボロと瞳から涙も零れ落ちてくる .
「 こ , ころちゃん … ?! どうしたの ?! 」
ベッドに座っていた莉犬くんが僕に駆け寄ってくる .
僕は口を開いてもパクパクという空気が漏れる音しか出せなくて , 思うように動かない腕を動かして , 視線の先にあるものを指差した .
「 ひっ … !! 」
莉犬くんも僕と同じように声にならない悲鳴を上げる .
そんな僕達の視線の先にいたのは ,
.
.
.
ガムテープで目と口を塞がれ ,
体操座りのように腕と膝もガムテープで固定され ,
仕切りが外された本棚らしき棚に収納されている ,
青白い顔をした , Aちゃんの死体だった .
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未琴 - 初めまして。みさせていただきました…。 すごくいい話…。まさかの急展開でびっくりしました! めっちゃ心がいたくなったし、感動もしました…。またこういうの作ってほしいです!完結おめでとうございます! (2022年2月11日 20時) (レス) @page35 id: 10f2fa9012 (このIDを非表示/違反報告)
ふまおな - 完結おめでとうございます!最後の最後まで先が読めなくてハラハラしてました……。namoさんの書く文章が大好きなんだなと改めて思いましたm(_ _)m (2022年1月31日 21時) (レス) id: e9437d9508 (このIDを非表示/違反報告)
しらたま色のねおん。(プロフ) - 完結おめでとう!こっちでは久しぶり!今回もさすがなもちゃんって感じの大どんでん返しで驚いたよw (2022年1月31日 19時) (レス) id: 397afb6c54 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - あるるさん» あるる様 , 何度もコメント有難う御座いました!!またどこか別の作品でお会い出来る事を楽しみに願っております! (2022年1月31日 18時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - ゆきんこさん» どんでん返し過ぎて申し訳ないです(;;)最後までお付き合い頂き有難う御座いました,また何処か別の作品でお会い出来る事を楽しみに願っております! (2022年1月31日 18時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:namo | 作成日時:2021年10月16日 3時