6 / 5 【すとぷり】

episode : 36 ページ40

「 皆さんは , 人を殺したことはありますか ? 」






そんな爆発的な発言に,私含めコメント欄に居るリスナーは戸惑いが隠せずに居た.


どういう意図で話しているかは何となく分かるが,お兄ちゃんのことは話さない約束じゃなかったっけ … .


お兄ちゃんはこの事は知っているのだろうか,そう思いななもりさんにメッセージを送ろうとしたが,何故か,指は動かなかった.






「 まぁ , ある訳ないよね

あったら もりさん 流石にビビるよ ?!



… じゃあ , 聞き方を変えるね 」











" 皆さんは , 誰かの人の心を殺したことはありますか ? "










「 … 無いって言ってる子 ,

今日まで生きてきて1回も酷い言葉を吐いたことが無いんか ? 」






初めて,すとぷりの生放送で,コメントの流れが止まったのを見たかも知れない.


私も,唾を飲んでななもりさんの話を聞くことしか出来なかった.






「 馬鹿とかキモイとか , ブスとかデブとか

そんな言葉が , たった5文字にも満たない簡単な言葉が ,

人を殺してしまうかも知れない ,

それを皆には , もりさん覚えてて欲しいなって思う 」






「 たった2文字 , 3文字だよ ?

でもそんな言葉も , 気付けばナイフになっていて , 何処かの誰かを死に追い詰めることが出来る


ましてや , ネットの世界なんてもっと簡単に人殺せちゃうんだよね

だって面と向かって言わなくていいもん , 匿名で言えちゃうもん


だから , ついついナイフを皆振り回し過ぎちゃうんだよね 」






コメント欄にいたリスナーは,ようやく意味を理解出来たのか,謝罪でコメントが埋まっていく.






「 キツイ言い方にはなっちゃうけど ,

こうやって伝えないと謝れないんだもんね



分かってる , もりさんは今ここに居る子達はそんなことしないって .



でも , 伝えさせてね 」










" 1度死ぬ手前まで追い詰められた心って ,

そう簡単には治らないんだよ "









「 治らないのは , 言った側が覚えてないから .

覚えてないから謝罪しない , だから治らない .

謝罪されたところで , 言われた言葉は忘れられなくて , 一生心に傷を背負ったまま生きていく 」






「 そんなの理不尽だ , おかしいって思うよね



だったら , 皆が絆創膏になってあげて欲しい

少しでも , 治すのを手伝ってあげて欲しい 」







「 … それじゃあ , メンバー呼んでいこうかな




まずは莉犬くん , お願いします 」

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