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episode : 19 ページ22

side / rinu






「 逃げるだけじゃダメだったんだよ 」






なーくんにそう言われた時,俺はさとみくんが出て行った時みたいに喋ることも,動くことも出来なかった.


簡単に言うと,図星.


理由なんてとっくに検討ついてたんだ,

でも,分からないフリをしていたんだ.


誰も何も言い返せずに居ると,なーくんまでおかしくなって来た.


なーくんの口からは自分を傷付ける言葉しか出てこなくて,怖かった.


なーくんまで居なくなっちゃうんじゃないかって,動けないまま涙だけボロボロと溢れた.


そんな時ころちゃんが来て,なーくんを抱き締めてくれた.


…俺なんて言葉を掛けることさえ出来なかったのに.







「 … なーくん 」






「 どうしたの莉犬くん ? 」







なーくんが鼻を啜っていつもの様に優しい笑みを浮かべて俺の方を向いた.







「 さとちゃんの , 妹さんに連絡は取れない … ? 」





「 … Aちゃんのこと ? 」





「 うん , この前俺さとちゃん家行ったら ,
さとちゃんの荷物持って帰ろうとしててさ 」





「 それって 」






「 さとちゃんは妹さんの所に居るんじゃないかなって 」






実は,さとちゃんの妹さんと出会ったことは誰にも言ってなくて,今初めて打ち明けた.


あの時は冷静になれなくて,何を誰に話したらいいかも分からなくて.


さとちゃんの妹さんと出会ったことを伝えてもいいのかも分からなくて.


でも,伝えなきゃまたなーくんがこんな事になっちゃうかもしれなくて.






「 莉犬くん , 教えてくれてありがとう
すぐ連絡とってみるよ 」





「 っ , うん ! 」






やるやん,なんてジェルくんに茶化されれば俺の顔にも笑顔が戻ってくるのが分かった気がする.


もし,妹さんの家にさとちゃんが居るとするなら,少しは安心出来る.


お願いだから,無事でいて.






「 じゃあ , 俺電話掛けてくるね 」





「 ありがとう 」






なーくんが点滴を引いて病室を出て行った後,るぅちゃんがぽつりと呟いた.






「 もし原因がそれなら ,
何で僕達に相談してくれなかったんだろう … 」





「 確かに , 全然話くらい聞いたのにな 」






不思議に思っている,るぅちゃんとジェルところちゃん.






「 … 相談しないんじゃなくて , 出来ないんだよ 」





「 莉犬 ? 」





「 誰に相談したらいいかも分からなくて ,
どんどん溜め込んでいっちゃうもんだよ 」






人間って思ってるより素直になれないから.

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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - 泣きました。そして、今更ながらですが、完結おめでとうございます! (7月25日 12時) (レス) @page49 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
たろち - 完結おめでとうございます!!とても生々しく人間らしい、そしてすとぷりらしい大好きな作品です。ありがとうございました。 (2022年2月17日 5時) (レス) @page49 id: e2d4e1bc60 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - いちごオレ。さん» ありがとうございます(;;)♡ (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - らいかさん» ありがとうございます;; (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - 緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当さん» 見付けて下さってありがとうございます(;_;)こちらこそありがとうございました! (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:namo | 作成日時:2020年11月26日 3時

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