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6/7 午後2時 .
さとみくんが居なくなって,まだ2日しか経っていないなんて考えれなかった.
さとみくんは体調不良で暫く活動を休止する,という形になっている.
それでもあの配信の時に言っていた,さとみくんの言葉はちゃんとリスナーさん達は聞いていてネットは荒れに荒れまくっていた.
ありもしない噂が溢れまくれ,僕は気付いたらSNSアプリを開くことが出来なくなっていた.
「 … どうしたらいいんだよ 」
僕,何かしたかな.
僕,さとみくん傷付けてたのかな.
僕っ…!!
あれからずっと,原因を考えて泣く,この繰り返しだった.
泣き腫らした目は真っ赤で,常に痛みを帯びていた.
それでも,さとみくんは帰ってこない.
さとみくんを必死に探すなーくんとるぅとくん.
ジェルは知らない.
僕と莉犬くんは2人で話し合って,落ち着くまでは2人で今まで通り配信を繋げていくことにした.
でも,2日目にしてそれももう疲れたんだ.
流れてくるコメントはさとみ君に関する事ばかり,配信どころじゃなかった.
こういう辛い時,いつも助けてくれたのはなーくんだった.
でも今のなーくんに頼れる訳ない.
次に頼れるのが,さとみくんだった.
でも,もう…
そんなことを考えながら,ぼけっと外を見ていたその時携帯に着信があった.
「 もしもし 」
「 ころちゃんグループ見てないでしょ ?! 」
「 … ごめん 」
「 取り敢えず支度して ! 」
着信は莉犬くんからだった.
めちゃくちゃ焦ってる様子なのが電話越しにでも分かった.
「 てか何があったのか教えてよ 」
「 … なーくんが救急車で運ばれた 」
「 は ? 」
「 なーくんに俺ら無理させ過ぎたんだよ … 」
「 運ばれたって , どこで !! 」
「 それが , 救急車呼んでくれたのが … 」
莉犬くんの答えを聞いた瞬間僕は家を飛び出した.
なーくんが倒れた?
どこで,どうやって,何で,どうして
沢山の言葉が頭の中をぐるぐると回ってもう自分が何をしているのかも分からなかった.
タクシーを拾ってグループに送られた病院を目指す.
「 捕まるギリギリでお願いしますっ !! 」
運転手さんにそう言えば本当に法スレスレの速度で病院を目指してくれた.
タクシーを飛び出せば,病室に転けそうになりながら駆けた.
「 なーくん っ !! 」
「 ころちゃん 」
僕の名前を微笑んで呼ぶなーくんは,泣いていた.
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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - 泣きました。そして、今更ながらですが、完結おめでとうございます! (7月25日 12時) (レス) @page49 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
たろち - 完結おめでとうございます!!とても生々しく人間らしい、そしてすとぷりらしい大好きな作品です。ありがとうございました。 (2022年2月17日 5時) (レス) @page49 id: e2d4e1bc60 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - いちごオレ。さん» ありがとうございます(;;)♡ (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - らいかさん» ありがとうございます;; (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - 緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当さん» 見付けて下さってありがとうございます(;_;)こちらこそありがとうございました! (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:namo | 作成日時:2020年11月26日 3時