episode : 11 ページ12
side / jel
現在 6/7 午前11時
俺はあれから一睡も出来ずにいた.
布団に潜っても目が冴えて携帯を触ってしまう.
グループはなーくんからの通知で溜まっていた.
俺は既読をつける勇気が出ず,ただ通知の音を聞くだけだった.
あの日,1番取り乱したのは絶対に俺だった.
さとみとなーくんが出ていった後、俺は怒りで家を飛び出した.
その時に聞こえた,莉犬ところんの泣き声.
るぅとのそれをあやす声.
俺は振り返ることも出来ずただ家を出てしまった.
そう言えばなーくんからの通知が今日の朝7時で止まっている.
とてつもなく嫌な予感がした.
「 こんなにマメに送ってきてんのに … 」
不安が打ち勝ちついにメッセージを開けば,ずらりとなーくんからの情報が並んでいた.
時間を見れば夜中も探し回っているのが分かった.
スタッフさんが「辞めてください」「休んでください」とメッセージを送っているが,それへの返信は一切なくひたすらに情報を送っていた.
なーくんはこんなに頑張ってるのに,俺何で普通に家に居んねん.
何で何もしてないん.
無性に自分に腹が立った.
何もしてないの俺だけやん.
そんな時,思いもよらない相手から着信があった.
「 … もしもし 」
「 なーくんを止めてやれ 」
「 は ? 」
その一言だけで電話は切られた.
その後病院の名前がメッセージで送られてきた.
お前は何がしたいん,さとみ.
さとみから送られてきた病院の名前を調べれば,街中にある大きな病院だった.
再び嫌な予感が俺を襲った.
もしかして,そこからの行動は自分でも信じられない程早かったと思う.
病院に,なーくんは居るか,確認の電話をした.
返事は,
「 2時間程前に外来で運ばれて来ています 」
だった.
さとみが俺に電話を掛けてきた意味が分かった.
なーくんに俺は甘え過ぎていた.
いつも何かあったら話を聞いてくれるなーくん.
率先して行動してくれるなーくん.
皆を悲しませるからと誰にも弱音を吐かないなーくん.
「 なーくん っ … !! 」
タクシーを使えばいいのに,電車を使えばいいのに,もうそんなことも考えられないくらい動揺しているのか俺はひたすらに走っていた.
周りの人間の視線なんて全く気にならなかった.
嫌だ,なーくんまで居らんくならんといて.
さとちゃんが居らんだけでも耐えられへんねん.
お願いだから無事でいてくれ.
――
諸事情で更新遅れてしまいました.
2日分です,すみませんでした;;
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ましゅ☆まろ。紫月まろ。(プロフ) - 泣きました。そして、今更ながらですが、完結おめでとうございます! (7月25日 12時) (レス) @page49 id: df7b4f216a (このIDを非表示/違反報告)
たろち - 完結おめでとうございます!!とても生々しく人間らしい、そしてすとぷりらしい大好きな作品です。ありがとうございました。 (2022年2月17日 5時) (レス) @page49 id: e2d4e1bc60 (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - いちごオレ。さん» ありがとうございます(;;)♡ (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - らいかさん» ありがとうございます;; (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
namo(プロフ) - 緋桜ひよ子@ミスキャト黄色担当さん» 見付けて下さってありがとうございます(;_;)こちらこそありがとうございました! (2022年2月13日 13時) (レス) id: eec0e0c5bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:namo | 作成日時:2020年11月26日 3時