当日 ページ6
今日はコンサート当日。
結局コンサートには当選
席はアリーナの最端、通路の真横。
早めに会場に着いて、周りを見渡す。
大きなスタジアム
数えきれないほどの人たち
流れる音楽
すべてにワクワクしながら彼らの登場を待つ。
開演間際になって、観客の熱気もどんどん上がってくる。
何本かMVが流れたあとに
聞こえてくる新曲Dionysusのイントロ
来る……
きゃあああああああ！！！！！！
歓声に包まれて現れたのは
「ナムくん……っ」
大人びた男の人になった彼だった。
後から出てきたジンくんも、あのときから想像がつかないほど大人の男の人になっていて、時の流れを感じる。
そのまま20曲以上歌って、最後にトロッコが回ってきた。
目の前にいる。
目の前にいるのに壁を感じる
そうか、私ってもう他人なんだった
何を期待してたんだろう
泣きそうになりながら回ってきたトロッコを見る。
「……っ」
こちらを驚いたような顔で見るジンくん。
“久しぶり”
誰にも聞こえない声で呟くと、
ジンくんはコクッとうなずいて、涙を溜めた目でこちらに微笑みかけた。
「ナムくん…」
すぐあとに回ってきたナムくんを見つめる。
上の方を見ているナムくん。
その目はキラキラ輝いていて、
ああ、涙を堪えてるんだ。
そう感じたその時
「ナムくん…… っ」
かすかに漏れた私の小さな声に
聞こえないはずの声に
ばっとこちらを向いたナムくん。
NM「……っ！」
「……ミアネ」
そう呟くと口を押さえて下を向くナムくん。
横にいたジンくんがその背中をさすっている。
もう一度顔をあげたナムくんに
ちゃんと伝わるように大きな声で
「がんばれ」
そう言った。
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作者名：もにじん | 作成日時：2019年7月8日 23時
