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第四十三話【地獄狼】 ページ40

まさか光学迷彩を対策されるとは驚きだった。

あの魔法はあくまで光の屈折現象を利用した物であって、幽霊のように実態がなくなって透ける訳でない。

そのためさっきのように何かをくっ付けられると位置が割り出せるのだ。

レーダー等の探知機には反応しないが、赤外線を用いたサーマル、嗅覚の鋭い動物等には反応してしまう。

カメレオンの擬態と変わらない。

だがこれまで見破られた事はあまりなかったため、少し傷ついた。

ステルス・スニーキング(かくれんぼ)では負ける自信無かったんだけどな……。

だがそんな事は今はどうでもいい。何故なら…。

「人の話を聞いているのか!!」

「オーコワイコワイ。ボウリョク、ヨクナイ…(棒)」

現在はこんな状況だ。

試合が終了した途端、対戦相手のロロに胸ぐらを捕まれた。

俺が完全に手を抜いて勝ちを譲った事に気づいていたのだろう。

やっぱり大切断波動を放ったあの時、その場でクリスタルを全て破壊しておくべきだったか…。

「貴様!なんで手を抜くような真似を!!」

「はいはいうるせぇよ。そんなの俺の勝手だろうが。そんな事いちいち気にしてたらな、まじで禿げるぜ。」

「誰が禿げるか!!!」

胸ぐらを掴むロロの手に更に力が入った。

どうやら怒りが全く収まらないらしい。

ふと思った事だが、この絵面は端から見れば奇妙なんじゃないか?

試合に勝利した方が相手の胸ぐらを掴む程に怒り、試合に敗北した方は胸ぐらを掴まれているにも関わらずケラケラしている。

観客席から見たら相当よく分からない状況何だろうな。

……ん?観客席?

「あ。」

「どうかしたのか?」

そこで俺はあることを思い出した。

「……観戦者(オーディエンス)のことをまるで気にしていなかった。」

普通に手を抜いていたが、この試合は普通に観戦することができるのだ。

首だけで観客席の方を見る。

気にも止めなかったが、会場内には思いのほか新入生が集まっていた。他の学園のやつらも。

そして、試合が終了したのか十夜花菜も来ていた。

「……あー、周囲の目をまるで気にしねぇで遊んじまったな。」

どうすれば良いのか分からなくなったので、とりあえず胸ぐらを掴んでいるロロを片手で投げ捨てておいた。

第四十四話【雪白】→←第四十二話【かいs】



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ブラックアイ - 更新しました (2018年10月23日 18時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 更新します (2018年10月23日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新します!! (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2baf58587d (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新しました (2018年10月22日 20時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新します (2018年10月22日 19時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪白 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2018年10月14日 21時

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