【募集企画】天空魔法学院【小説ver】 (ページ24)

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第二十七話【地獄狼】ページ24

微妙にノイズ混じりの放送が流れた。

どうやらトーナメントが張り出されたらしい。

花菜と別れてから確認に行くと、そこには既に人だからりができていた。

一瞬入っていく事に気が引けたが、わざわざ別の所に見に行くのも今さら面倒くさい。

どうせどこも人だかりができている事に変わりはないだろうと思い直し、なんとか前列まで移動した。

沢山ある名前から自分の名前を見つけ出す。

対戦する相手は……。

「ロロ・リベリエン……誰だこいつ。」

どこかで聞いた事のある名前だったが、あまり接点が無いため瞬時に思い出すことができなかった。

そしてその正体を思い出した時、次に俺の口から飛び出したのは舌打ちだった。

確か同学年で、どっかの皇国の使用人だったはずだ。

しかし、そんなことはさほど重要ではない。

俺が舌打ちをした理由はもっと別の部分にある。

「植物魔法と…錬金魔法……錬金術みてぇなもんか。またかったるい魔法使うやつと当てて来やがって。」

直接戦った事はないが、こういう系統の魔法を使うやつは大体やっかいだと俺の中では思っている。

「……まあいいか。」

どうせ今日じゃなくとも、遅かれ早かれ、またいつか戦うことになるのだ。

今日は少し手を抜くかな……。

そんな事を考えながら俺は会場の扉を蹴り開け、場内を一別して、胡座をかいて対戦相手を待った。