第二十六話【よもぎまんじゅう】 ページ23
「うん、ちゃんと映ってるね」
私が決めた組み合わせ表がしっかり反映されているのを見て呟く。
私の相手はダンテ・ビアンコ。同じ学年で物理的な攻撃が苦手な私と相性がいいと思い、私が決めたのだ。
まあ同じ学年なので会うことも多く、その度に私が話しかけているが、どこか猫をかぶったような態度をしてくる。
別にそれは構わないのだが、やっぱり彼の挑発的な態度に興味があるわけで、猫をかぶった態度は興味がない。
つまり今回の対抗戦で好きなだけ煽っていただこう、というわけだ。勿論煽られていい気にはならないが、好奇心には勝てない。
指定された部屋のほうに向かっていると、ピンク色の髪と青色の目をした愉衣がこちらに向かってくるのを見た。
「紫!対抗戦、がんばってネ!」
にこ、と明るい笑顔を見せ声をかけてくる愉衣。
愉衣の対戦相手は鮮だったか。鮮にも興味はまだたくさんあるため、今度戦ってみたいものだ。
「うん、愉衣も頑張ってね!見ることはできないけど応援してるよ」
どちらもこの後すぐ対戦なので、それだけ言って別れる。
その後小走りになりながらも部屋の前につく。浅く息を吐く。
生徒会長のプライドというものがあるため、簡単に負けるわけにはいかない。
だが今回は楽しくできればいいのだ。相手が楽しくなるかはわからないが。
この組み合わせにしたのも、彼の行動、言動に興味があるから。それならじっくり彼の行動、言動を見させていただこうか。
モヤと一緒に重い扉がゆっくり開く。観戦者から声が上がる。
数秒するとモヤが消え、相手の姿がはっきり見える。
「ダンテだね、宜しくね〜!」
少し遠くにいるダンテに手を振ると、「宜しくお願いします〜」と軽く返された。
さて、どう動いていこうか、と考えていると体の周りに4つのクリスタルが現れる。
どうやらもう始まりのようだ。思わず口角が上がってしまう。
片手に持っている本を優しく撫で、魔法を発動する準備をするためパラパラと開いていく。
最初は相手の周りを闇で覆って視界を潰す。そうすれば彼は霧を出すか闇から出るか。それとも何もしないで話し出すか。どれでもクリスタルは割れないため、初手はこれでいこう。
うんうん、と一人頷いていると機械音と共に「対抗戦、開始」という音声が部屋に響いた。
______対抗戦の幕が、今開いた。
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ブラックアイ - 更新しました (2018年10月23日 18時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 更新します (2018年10月23日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
閑(プロフ) - 更新します!! (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2baf58587d (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新しました (2018年10月22日 20時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新します (2018年10月22日 19時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪白 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年10月14日 21時