【募集企画】天空魔法学院【小説ver】 (ページ21)

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第二十三話【朱鬼】ページ21

～鮮視点～

本日は晴天なり、本日は入学式なりってね

入学式が終わり、当然の如く"小生"の周りに集まる女子生徒達

自分の顔が整っているのは自覚済み
少し微笑むだけで頬を染め、少し声をかけるだけで甘ったるい声を出す
…これだから"甘いもの"は嫌いなんだよ

さて、そろそろ適当に理由付けして逃げるか

「済まないね、お嬢さん達。そろそろ生徒会の方で用事があって行かなければならないんだ」

そう言えば口々に文句を言い出す

キミたちは小生のことを何だと思ってるんだ

「本当に済まないね。どうしても断れないことなんだよ。なんせ対抗戦の模擬戦に出場するんだからね。小生が断れば、別の生徒に変えられてしまうかもしれない。模擬戦とは言え、魔法を使うんだから怪我だってするかもしれない。そうなってしまうかもと考えるだけで、小生は断れなかったんだよ」

それらしい、思ってもないことを言えば女子生徒達は渋々だが諦めてくれた

ちょうどその時、対抗戦のトーナメント表が浮かび上がり、放送が入る

ふむ、小生はG室で、相手は酒見さんか
これは運が良い

「どうやら小生はG室で対抗戦をするらしいね。お嬢さん達、良ければ見に来てくれないかい？小生はお嬢さん達の声援は聞こえないが、お嬢さん達が応援してくれるだけで頑張れそうなんだ」

またも思ってもないことを言う
こう言えば女子生徒達がくることは分かっている
もう既に経験済みだからね
…ほら、予想通り、女子生徒達は『絶対に応援に行きます！』などと言う

今の放送は学園全体に向けての放送だ
彼女ら以外にも小生に心を寄せている子達が沢山来るだろう
そうなれば観客のほとんどは小生を応援する
酒見さんにとっては、アウェイな場になるわけだ
相手が男なら少しは其方に流れるかもしれないが女性なら、かなり深い関係でもなければ小生の方につく

試合前のほんの少しの時間でも、自分ではなく相手が応援されていると思えば多少なりとも精神面が脆くなる

「ありがとう。お嬢さん達の応援で小生はいつも以上に頑張れそうだ。良ければお嬢さん達のご友人も呼んではくれないかい？小生はお嬢さん達と気持ちを分かち合いたいんだ」

「さて、話もこれくらいにしようか。それじゃあ、また後で。ね？」

最後に念押しのように微笑む
先程の光景を遠巻きに見ていた新入生もいたし、噂話程度に広がっていくだろう

ま、彼女らのことなんてどうでもいいんだけどね

…ハァ、早く環かクロロに会いたいな