【募集企画】天空魔法学院【小説ver】 (ページ11)

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第十二話【よもぎまんじゅう】ページ11

【時系列が第四話の後となっております】

「こんにちは～って、泉龝！」

勢いよくドアを開け、どうやら薬を整理している泉龝の傍へ近寄る。
泉龝とは幼馴染の仲で、特に仲がいい。

「紫じゃないか。この書類、誰が書いたのか知っているか？」

すると彼は薬の整理をしつつ一枚の書類を手にして、私の目の前でひらひらと振ってくる。
その書類はどうやら去年の生徒会長が書いた、このあとある対抗戦の内容を写したものだった。
その内容はかなり雑で、よくこんな文章を写そうとしたな、と思うものである。

「さあ。でもこの内容、結構雑だね」

首をかしげながら言うと、やれやれといった表情で泉龝は言う。

「そうだな。全く、誰がこんな文章を写したんだか」

どうやら整理が終わったらしく、しっかり私のほうに向き合う。
正直これを写した人は気になるが、まあ今はどうだっていい。
今は時間がないのだ。この後すぐ対抗戦があるため、その組み合わせを伝えなくてはならない。

「で、これ。私がだいたい組み合わせを決めてきたんだけど、どうかな」

今度は私が一枚の紙を取り出し、彼の目の前に突き出す。
泉龝は見えやすいように少し下がり、じっくりとその紙の内容を確認する。

「ああ、まあいいんじゃないか？それぞれの個性を上手く生かした組み合わせだな」

うん、と頷いた彼を見て、やった！っと両手をあげ喜ぶ。
彼が了承すればもう決まったようなものだ。
彼の頭脳はこの学園の中でも優れていて、私の尊敬する一つだ。

「よし、じゃあこれでいこう！」

高く上げていた両手をさげ、彼に言う。
すると彼は頷き、「そうだな」と一つ呟いた。