第四十七話【よもぎまんじゅう】 ページ44
「私知りたいの、あなたの
そう言いながらダンテの背中に手をあて、魔力を集中させる。
するとすぐに黒い闇が空中に舞い上がり、トラウマの形を作って精神攻撃を_______
「あれ?」
思わず情けない声が出る。
てっきり濃い闇の塊が彼を襲うと思っていたのに、空中に舞い上がった瞬間に軽い音を立てて消えてしまったのだ。
確か彼は一年生の頃い じめられていたのをどこかで聞いた。それならそのトラウマが強く残っていると思ったが、どうやらそうではなかったらしい。
一旦彼から離れようと、本に触れ、強い光の魔法で彼の目を眩ませてから離れる。
「おっと、そういえば割らないといけないんだったね」
その前に彼のクリスタルを一つ破壊してから。
大分距離を取り、光の魔法を解除する。
「てっきり強いトラウマがあると思ったけど、そんなことないんだね!」
思わず笑顔がこぼれながら彼に言うと、「そうだねぇ」と私に共感するように彼は返した。
「さっすが会長サン。クリスタル破壊されちゃったー」
残念、といったように首を傾げながら私の方向を振り返る。
彼の周りに回っているクリスタルは私が先ほど割ったため三つになっている。
勿論私の周りに回っているクリスタルは四つで、まだ余裕は両方ありそうだ。
「さて、どうしよっかなー」
わざとらしく手に顎をのせ、悩むような仕草をしている。
彼の身体能力は私よりは高いと聞いている。
泉龝に身体能力が向上する薬でも貰っておけばよかった、などと呑気に考えていると、周りが再び霧に包まれる。
霧に包まれてもここでじっとしていれば特に被害はない。
さっきのように突っ込んでこなければ。
さて、このままじっとしていてもいいのだが、一つ興味があることがある。
光か闇の魔法を動かせば、霧が反応してフェイクにできるのではないか、と。
そこまで彼が単純ではないかと思うが、興味が湧いてしまったものは仕方ない。
本に触れ、闇の魔法を具現化し、ちょうど私のサイズの闇を作り出す。
息を潜めてその闇を動かすと、それと同時に霧も動いていく。
離れたところで闇の動きを止めると、そこで霧も止まった。
これは彼の冷静さと分析力、判断力を試している。
勿論この罠にそのまま引っかかるとは思いにくい。そのため私の周りにも注意を払い、彼が突っ込んできてもいいように意識を集中させている。
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ブラックアイ - 更新しました (2018年10月23日 18時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
ブラックアイ - 更新します (2018年10月23日 17時) (レス) id: b64c02d5d7 (このIDを非表示/違反報告)
閑(プロフ) - 更新します!! (2018年10月23日 16時) (レス) id: 2baf58587d (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新しました (2018年10月22日 20時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
よもぎまんじゅう(プロフ) - 更新します (2018年10月22日 19時) (レス) id: 1b69b5d6d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪白 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2018年10月14日 21時