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初めての釣り…
恐る恐る投げ入れた釣り糸
下手くそなフォーム…
笑われながらも
それが嫌味にならず
常に笑顔でいられた
初めて会った気がしない
そんな雰囲気を作ってくれた
大ちゃんに感謝したい程
船長の奥様のお弁当を分けてもらったり
「今度はAちゃんが作って来てよ」
そんな事言われて…
嬉しく思わない女、いますか？！
『私、料理下手ですけど…』
ーAちゃん、おにぎりは上手だよな？
塩加減絶妙だしな！！−
「おにぎり？！」
『・・・・・・・・・・』
ーそう、おにぎり！！−
また余計な事を言うんだよね…この人は……
せっかく良い感じだったのに
「何でおにぎりなのさ？」
『潮の香りのするところで食べるおにぎりって
凄く好きなんです…
しっとりとなった海苔がまた絶妙に相まって…』
思わずうっとりしながら喋ってたもんだから
ハッと横を見ると船長は笑いを堪えてるし
大ちゃんまで口を押えて笑いを堪えてる…
『酷い……』
そう言って俯いてしまった…
「あっ、ごめんごめん…
あまりにも可愛かったからさ？」
『・・・・・・・・・・』
「そっか…海で食べるおにぎりが好きなんだ…」
ー俺の奥さんの握ったおにぎりより
Aちゃんの握ったのが美味いんだよな〜これが…ー
「俺も食べてみたいな……
船長まで虜にするおにぎり…」
『そんな…恐れ多いですよ……』
「なんだそれっ？！」
『だって…ねぇ……』
そう言って思わず船長を見た…
ーははっ……まっ…確かにな…ー
「何か…船長だけってずるいよな……」
ーおっ？！大ちゃんが嫉妬してるわ
俺、何だか勝った気分だわ〜−
あぁ…今、この時この場所で
時間が止まらないかな…
でも、大ちゃんは皆の大ちゃんで…
私が独り占めしてはいけない人…
本当に最高の一時だった
神様…ありがとう……
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作者名：Sugar | 作成日時：2015年10月2日 21時
