第40話 怒り ページ42
【not side】
叶瀬「…クっ…っ……カハッ…!」
身体を丸め、腹を手で抑えながら膝から崩れ落ちるかのようにして倒れた叶瀬。
降谷は経験上、急所を狙っていたのだ。
降谷「……叶瀬、お前は弱いわけじゃない。
ただ相手のことを見ないだけだ。
さっきだって俺を見ないで怒り任せに拳を振るっていただろ?
ちゃんと相手を見て先を読めば、俺の出方だって分かったはずだ。」
叶瀬「…っ、俺が倒れてまで…っ…何か言うんすか…」
降谷「これは怒っているんじゃない。
これからこうならないように言っているだけだ。」
降谷は倒れている叶瀬に近寄ると、そっと肩に手を置いた。
降谷「━━━━━━━Aに対してどうだった?
ちゃんと相手を見て、考えたか?」
叶瀬「……フフッ。」
急に怪しく笑い出した叶瀬。
その行動に降谷は思わず眉間にシワを寄せる。
叶瀬「ちゃんと相手を見たかって?
…ハハッ、そりゃあ、ちゃんと見ましたよ。
━━━━━━━━━A先輩が震えて、怯えている顔を…♡」
降谷「っ!?」
叶瀬「あの時の顔は本当にそそられましたよ♡
もう、興奮しっぱなしです♡
俺だけにしかあの顔は見せないですもん♡
それに、静かに涙を流す姿も素敵で、食べちゃいt…」
途中で切れてしまった叶瀬の言葉。
それと同時に、パチンという音があたりに響き渡る。
叶瀬「…っ…」
降谷の方を向いていた叶瀬の顔が何故か横を向いている。
そして何故だか、降谷に向けている頬はほんのりと赤く腫れ上がっているように見えた。
降谷「……」
叶瀬「…っ…ぃったぁ…」
叶瀬は頬の痛みに思わず声を漏らす。
そう、降谷は叶瀬の頬を思いっきり叩いていたのだ。
降谷「…〜っ、お前はぁあっ!!」
叶瀬が倒れているにも関わらず、襟を掴んで無理やり上体を起き上がらせる。
そしてものすごい血相で叶瀬を睨みながら叫んだ。
降谷「っ、どうしてそういう考えしかできない!!
愛しい女がいるんだったら、喜ばせてあげるのが普通だろ!?」
叶瀬「…っ!」
降谷「もし、Aが危険な目にあって震えていたとしたらどうする!?
お前はただそれを黙って見続け、その表情に興奮しているだけなのか!?
違うだろ!?
何が何でも助けるだろ!?
自分の独占欲を優先させるな!!」
襟を掴んでいる手に力が込められる。
叶瀬を見る降谷の目からは、物凄い怒りを感じられた。
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ナミ(プロフ) - 紫苑さん» 返事が遅くなってしまい申し訳ありません!先程、18話を公開させて頂きました。後で書き直そうと非公開にし、そのまま忘れてしまっていたので助かりました!!(笑)ありがとうございます!! (2017年12月17日 21時) (レス) id: 10654a6a79 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - はじめまして。いきなりですが18話はどこでしょうか?いきなり話がとんでびっくりしました。(笑) (2017年12月11日 21時) (レス) id: 33fd3d747e (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - りんさん» 私も好きですー!!笑笑 (2017年7月12日 20時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - 夜大好き!さん» コメントありがとうございます!!楽しみにして下さってるなんて嬉しいです!!笑笑 (2017年7月12日 20時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - もふぃ@絡繰人形さん» はい!了解です!!笑 (2017年7月12日 19時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2017年1月15日 22時