第31話 気づかれた ページ33
【not side】
それだけ言うと、休憩所から出ていってしまった。
A『…っ…ぁ…』
Aは恐怖から解放され、その場に力なく座る。
A『(…っ…怖…かっ…た…)』
今まで目に溜まっていた涙が、静かにAの頬を伝う。
A『…くっ…ふ…降谷ぁ…』
どんどん溢れていく涙に対して、Aは愛しい人の名前を嘆く。
それで、自分を落ち着かせられると思ったから。
A『…っ…ぅ…ぁあ…ああぁ…ぅ』
声を絞め殺して、静かに泣いているA。
その声は自分しかいない休憩所に、寂しく響くのだった。
·
·
━━━━━━━30分後。
A「…っ…」
Aはしばらく泣き続け、涙が止まった。
そして、自分のスーツのポケットに入っている手鏡を取り出す。
A『…フハッ、なんて顔してんだろ…私。』
鏡に映し出された自分の顔は、目は赤く腫れ上がり、涙でぐちゃぐちゃになっている自分だった。
あまりの可笑しさに、少し笑ってしまう。
A『…本当、私って弱いなぁ…』
自分は弱い生き物。誰かに支えてもらわないと生きていけない。
そう自分で感じていた。
A『…そろそろ戻んないと…叱られるかも…風見に。』
そう思ったAは力なく立ち上がり、自分の仕事場へと足を進める。
A『…』
休憩所を出ていく直前、微笑ましいように目を細めて降谷と話した席を見つめる。
A『(…久々に降谷と話した…。
何でだろ…降谷と話す時はすごく安心できる。)』
そう想いながら静かに休憩所を見つめる。
A『(…また、降谷と話せる日が…来たら…っ…いいなぁ)』
また溢れだしそうな涙をグッと抑える。
A『…あっ、戻んないと。』
仕事場に戻ることを一瞬忘れていたA。
少しの小走りで自分の席へと戻る。
…ガチャッ
A『…すみません!遅れました!』
ドアを開けて遅れたことに対して謝罪する。
風見「もう、皇さん!遅いで…
……ん!?さ、さささささっき!!あ、謝りました!?」
A『え、うん。』
風見「…皇さん。熱あるんじゃないですか?」
A『いがいで悪かったわね。』
風見の言葉に少しイラついていると気づかれて欲しくないことに気づかれる。
風見「…あれ?皇さん、目の周り何だか赤いですよ?」
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ナミ(プロフ) - 紫苑さん» 返事が遅くなってしまい申し訳ありません!先程、18話を公開させて頂きました。後で書き直そうと非公開にし、そのまま忘れてしまっていたので助かりました!!(笑)ありがとうございます!! (2017年12月17日 21時) (レス) id: 10654a6a79 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - はじめまして。いきなりですが18話はどこでしょうか?いきなり話がとんでびっくりしました。(笑) (2017年12月11日 21時) (レス) id: 33fd3d747e (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - りんさん» 私も好きですー!!笑笑 (2017年7月12日 20時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - 夜大好き!さん» コメントありがとうございます!!楽しみにして下さってるなんて嬉しいです!!笑笑 (2017年7月12日 20時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - もふぃ@絡繰人形さん» はい!了解です!!笑 (2017年7月12日 19時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2017年1月15日 22時