第29話 突然 ページ31
【not side】
そしてドアから出ていく直前、如月はAに向かって不敵な笑みを一瞬だけ見せた。
━━━━━━━…まるで、「降谷さんは私のもの♡」と言うかのように。
A『……っ…』
静かになった休憩所に一人取り残されたA。
A『(…っ、これじゃあこの前の繰り返しじゃないっ…!!)』
その場にたたずんだまま、悔しくて悔しくて、歯を食いしばると、
次には拳を強く握りしめていた。
A『…っもう、どうしていいか分かんないよっ…!!』
Aの叫んだ声が静かな休憩所に寂しく響く。
心が今にも張り裂けそうで胸を手で抑えながら下を向く。
目には、今にもこぼれ落ちそうなほどの涙が溜まっていた。
·
……ガチャッ…
突然扉の開く音がした。
昼食時間がそろそろ終わるというのに
休憩所に来る人なんていないはず、と思ったAは
誰が開けたか確認しようと、勢いよく扉の方を振り向いた。
「…あれっ?!A先輩!」
わざとっぽい声が休憩所に響く。
Aの瞳が段々開かれていくのがわかった。
A『…っ…ぁ…王翔、君、っ。』
急に現れた彼に少し戸惑うA。
その目には少し恐怖を感じられた。
A『(…っな、何でここに王翔君がっ…!!)』
口に手を当てて信じられないとでも言うかのように、その大きな目を見開いている。
叶瀬「奇遇ですね!こんなところにいるなんて思ってもみませんでしたよ。」
A『っ…!!(嘘だ!!絶対私の声を聞いて入ってきたに違いない!!)』
「何か企んでいる…!!」そう考えたAは、警戒するかのようにして叶瀬を睨みつける。
叶瀬「…フフッ。もうA先輩ったら、目、怖いですよ?」
A『…っ何しに来たのよ…』
ずっと笑っている叶瀬に少し恐怖を感じたのか、足を後ろへと引くA。
叶瀬「…フッ。何しに来たって…それぐらい分かるでしょ?」
急に口調が変わり、低い声で話す叶瀬。
それに気づいたAは恐怖を感じ、また1歩と後ろへと下がった。
叶瀬はその行動を見逃さなかった。
A『…ぇ…ぁ…ち、ちょ!こ、来ないで…!!』
怯えるAの言葉を無視して、叶瀬は無言でどんどんAに詰め寄る。
━━━━━━…不敵な笑みを浮かべながら。
トンッ…
しばらくすると、突然Aの背中に何かが当たった。
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ナミ(プロフ) - 紫苑さん» 返事が遅くなってしまい申し訳ありません!先程、18話を公開させて頂きました。後で書き直そうと非公開にし、そのまま忘れてしまっていたので助かりました!!(笑)ありがとうございます!! (2017年12月17日 21時) (レス) id: 10654a6a79 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - はじめまして。いきなりですが18話はどこでしょうか?いきなり話がとんでびっくりしました。(笑) (2017年12月11日 21時) (レス) id: 33fd3d747e (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - りんさん» 私も好きですー!!笑笑 (2017年7月12日 20時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - 夜大好き!さん» コメントありがとうございます!!楽しみにして下さってるなんて嬉しいです!!笑笑 (2017年7月12日 20時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
ナミ(プロフ) - もふぃ@絡繰人形さん» はい!了解です!!笑 (2017年7月12日 19時) (レス) id: 64164e79d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ナミ | 作成日時:2017年1月15日 22時