同僚に恋した私

第46話 紅潮 ページ49

【not side】




頬を赤く染め、他の方向を見ながら言ったA。

その姿にいい事を思いついたのか、降谷は口の端を吊り上げ、悪い顔のように笑った。




降谷「目を見ながら話せって言ったの誰だっけ？

先ずは自分が出来てないと不味いんじゃないのか？

それと、声が小さくて何も聞こえない。」


A『はあっ！？////

私、普通の声で言ったんだけど！？』


降谷「最近耳の調子が可笑しくてな。」


A『馬鹿じゃないの…？』


降谷「ほら、いいからもう一回言え。

今度は目を合わせながらな。」




身体をグイッと近づけ、Aの目から視線を外さないかのように、ずっとAを見つめる降谷。

Aはその視線を恥ずかしく思ったのか、手で降谷を見ないかのように隠しながら、顔を紅潮させた。





A『…ちょ、無理、言えなぃ…っ///』


降谷「…ふーん。だったら帰るか？」


A『え、嫌っ！！』


降谷「じゃあ、言え。」


A『それも嫌っ！！』


降谷「どっちかだ。」


A『…うっ…。』





二択に迫られ、Aは頭を抱えながら必死で考え始める。

その様子を、少し楽しそうに笑いながら見つめている降谷は、ほら早くしろ、と言いながらAを急かす。




A『…っ、い、言えばいいんでしょ、言えば！！』




声を張り上げながら少し眉を吊り上げ、降谷を見上げたA。




A『…………。

…っ、れ、零の隣で……ね、寝かせ、て…下さい…っ。///』




勢い任せに言った後、すぐさま方向転換し、今度は自分の顔を手で覆う。

それを見ていた降谷からにとっては、身長差もあり、Aの表情は上目遣いしているように見えた。

その為、降谷の動きが一瞬止まった。





降谷「……。」


A『こんな台詞、絶対、二度と言わないから…！』


降谷「……っ！！

…へ、へぇ、ちゃんと言えんじゃん。」





降谷は動きが止まった後、ハッとし、少し戸惑いながら、Aの頭を撫でる。





A『…ドＳ度全開で怖かったですよ、零さん。』


降谷「すまない、少し苛めたくなってな。」


A『はぁあ…！？///』


降谷「好きな奴を苛めたくなるのは普通だろ。」


A『…〜っ！

何でそんな恥ずかしい台詞が言えんのよっ！！』




そう言って、側にあったクッションを降谷目掛けて投げる。

だが、クッションを難無くと掴まれたが、早く風呂沸かしてこいっ！、と言うと、一旦この部屋から降谷を退室させた。

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