地獄絵図 ページ8
「……入りたくない」
にっかり青江を眠らせたはいいが、正直すごく離れに入りたくない。
絶対中に仏さんがいる。それも大量の。
「でもここでゴタゴタやってる方が危ない……でも嫌だ……入りたくない……」
ばあちゃんの刀がまた微かに震える。
心なしか励まされているようだ。
「うん、分かってる。入らなきゃなのは分かるんだけど……」
離れに行かなければ顕現も出来ない。
自分を守ってくれたばあちゃんの刀にお礼も言えないのは困る。
「うん、困るな。それは困る。すごく困る。」
よし、入ろう。
深呼吸を1つして、息を止めてスパーンと勢い良く襖を開ける。
すると、かなりの悪臭が扉の先から雪崩込んできた。
「うっ」
口と鼻を片手で覆うと、襖の向こうに目を向ける。
そして思わず目を瞑り空を仰いだ。
「うん、だよね。知ってた。」
襖の奥には、やはり予想通り、大量の仏さんがあった。
白骨化してるものから腐りかけてるもの、まだ肉体が残っているものまである。
「まるで死体の博物館だね。見たくなかったけど。」
とりあえず中に足を踏み入れ、死体の山を無視して鍛刀・顕現室に向かう。
この状況は僕一人ではどうもならない。
それにまだお礼も勝手に使った非礼も詫びてないので、顕現が先だと思った。
「ここだね。血で汚れて標識見えないけど。」
掃除しなきゃな。そう思って気が付いた。
もしかして、この地獄絵図を僕とばあちゃんの刀剣だけで掃除しなきゃいけないのか？
「いや無理無理無理。あまりに人手が足りない……」
せめてこんのすけ。掃除用具発注しないとほんと無理。
0.00001が0.00002になるくらいの恩恵しかないけどその恩恵がかなり大きい。
「……とにかく、今は顕現が先。」
死体の処理とはそんな事は考えなかった。いいね？
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… - 今のところ面白いです、是非更新頑張ってほしいです (2019年4月20日 9時) (携帯から) (
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作者名：桜子 | 作成日時：2018年5月20日 22時
