検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:4,067 hit

   9話 ページ10

Side菅原 孝支

教頭のカツラが吹っ飛んでから、数分後。

目に見えて、大地は不機嫌になっていた。

慣れてないと分かりづらいんだけどさ、あいつ怒ると結構怖いんだよね。


……マネ希望の子、怖がって辞めなきゃ良いけど。

「幸いにも、これといったお咎めは無しだ。」

あくまでも静かに、大地が話し出す。

それは本当に淡々としていてーー逆に、背筋が凍りそうだ。

「……俺達は、もう一度あそこに行く。その為には、教頭にも目をつけられたくない訳だ。」

………あれ?なんか、大地マジで怒ってない?

止めようか否か、考え始めたがもう遅く。


「チームに迷惑をかけた挙げ句、足を引っ張るような奴は、いらない。」


ピシャッと扉が閉まり。

日向と影山の姿は、あっという間に消えてしまった。


『……はああああああっ!?』


少し遅れて、2人の絶叫。

「…………」

田中も、白沢さんも反応に困っているようで、体育館に沈黙が訪れる。

扉越しに、微かに2人の声が聞こえてくる。


「あの…入部、少し待ってもらっても良いですか?」

ふいに、彼女が口を開いて。

振り返ると、白い大きな瞳と目があった。

ゆっくりと息を吐いて、ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。

「翔ちゃんと影山くんが、上手くやれるか心配なので……。」

そこまで言うと、床に視線を落とす。

瞳に反射した光が、茶色い木目に吸い込まれる。

それを、見てたら。

ーーなぜだか分からないけれど、彼女の後ろに、誰かの影が過ぎった気がした。

   10話→←   8話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (10 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ニンゲンマメ@玄海 - 更新、ファイト(p^-^)p (2015年11月15日 15時) (レス) id: d9184a0fc8 (このIDを非表示/違反報告)
漏電気味配電盤 - つぶだんごさん» わわわっ! ご丁寧にありがとうございます(≧∇≦*) これからも頑張って更新していきます♪ (2015年9月9日 16時) (レス) id: 29a01c2789 (このIDを非表示/違反報告)
つぶだんご(プロフ) - 文章が丁寧で、とても読みやすかったです(*´-`)無理しない範囲で更新頑張ってください!! (2015年9月8日 20時) (レス) id: df05564614 (このIDを非表示/違反報告)
漏電気味配電盤 - ニンゲンマメ@玄海さん» はい! 頑張りますね… (2015年9月1日 11時) (レス) id: 29a01c2789 (このIDを非表示/違反報告)
ニンゲンマメ@玄海 - 更新がんばろーね(´∀`)byリア友 (2015年8月25日 12時) (レス) id: d9184a0fc8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:漏電気味配電盤 | 作者ホームページ:   
作成日時:2015年6月18日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。