【5】誓い ページ9
蓮助side
唐沢「わぁ…広ーい……」
待ちに待った昼休み、俺たちは購買によって弁当を買ってから、中庭にやって来た。
浪川「いいだろ、ここ」
そう笑いかけてやるとAは少し恥ずかしそうにはにかんだ。
唐沢「寒いんじゃないかって心配してたけど…太陽が当たって暖かいね」
浪川「だろ?………そこのベンチ、座ろうぜ」
俺はAと一緒にベンチに腰かける。…………“恋人ベンチ”と呼ばれている、ジンクスのあるベンチだ。
しかしあえてそれは秘密にする。
浪川「さ、食おうぜ」
唐沢「うん」
俺はホットドッグ、Aはたまごサンド。
もし付き合ったら食べさせあったりすんのかなぁ、なんて我ながら中学生らしいことを考えながらまた一口かじる。
唐沢「そういえばさ、さっき言ってた『スイッチを押すとき』ってドラマ化してるよね」
浪川「お、知ってんのか?」
唐沢「うん、SFってあんまり読まないけど、山田悠介は好きなの」
『好きなの』。
それは趣味の話で、しかもラブではなくライクの話なのに。
少し、ほんの少しだけ胸がどきりとした。
ああ、俺が一目惚れしただけのことはある。………それにしても可愛い奴だな。
唐沢「小暮くんが死んじゃうところとか、凄く泣いちゃった」
“小暮”だって本の中の架空の人物なのに、なんだか嫉妬してしまいそうな感覚に陥る。
楽しそうに話すAに相槌をうっていると、ふと凪沢と海図がこちらを見ているのが目に入った。
………よし、順調だな。
必ず、Aは俺の彼女にする。
改めて、強く誓った。
#♪#♪#♪#♪#♪#♪#♪#♪#♪
海図「ちょっと凪沢、あれってキャプテンと………」
凪沢「Aだな」
海図「わわ……恋人ベンチに座ってるよ…転校初日でまさか………?」
凪沢「ま、確信はないし………拡散とかくだらないことはするなよ」
海図「げっ、なんでわかったんだよ!?」
凪沢「お前のしそうな事は大体わかるって」
今日の海の男!
浪川「おい、そこのお前!…俺の彼女になれ!!」
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涙音(プロフ) - *文月*〜huduki〜さん» 返信遅くなってごめんなさい。こんな風に誉めていただいたのははじめてです。書いていて良かったです........!実は近々この続編を上げることになりました。もしよろしかったら読んでみてください。本作よりさらに良いものになるよう精一杯執筆いたします。 (2016年12月11日 23時) (レス) id: 541fead6be (このIDを非表示/違反報告)
*文月*〜huduki〜(プロフ) - 私は5年くらいこのサイトで色々な小説を読んできましたが、その中でこの作品がダントツで面白いです。もっと熱く語りたいのですが、文字数の上限をこえそうなのでこれくらいにしておきます。気持ちが伝わると嬉しいです。これからも素敵な作品を作っていってください。 (2016年11月14日 10時) (レス) id: bb022945e6 (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 律華@Twitterはじめました。さん» コメントいただいて久しぶりに戻って参りました…とりあえず少しだけ更新しましたが、夏休みに完結できたらと思います!すっかり放置してました… (2015年7月4日 21時) (レス) id: 71e3a373e6 (このIDを非表示/違反報告)
律華@Twitterはじめました。(プロフ) - 更新頑張ってください!続き見たいです! (2015年7月4日 5時) (レス) id: 7cb333b288 (このIDを非表示/違反報告)
海王星(プロフ) - 久しぶりの更新だね笑 相変わらずの素晴らしい文才!期待に胸が弾むぜ( ´∀`)← (2014年8月9日 17時) (レス) id: c49ea11c01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涙音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時:2014年1月14日 1時