【15】嘘 ページ22
昨日あんなことがあったせいか、浪川くんに会うのが怖い。
いや、怖いというか気まずいという方が近いかもしれない。
どうか教室に浪川くんが居ませんように、と願掛けしてから教室のドアを開けると
案の定、浪川くんはそこに居た。
唐沢「………お、おはよー」
湾田「よっ!」
浪川「おう」
昨日のことを忘れてしまったのではないかというくらい涼しい顔をしている浪川くん。
そして私は彼の顔を見ただけで赤面していたらしい。
湾田「あれ?お前顔赤いけど、大丈夫かよ?」
唐沢「えっ、あ、うん」
別に体調が悪いわけではないし、そのまま突き通そうとしたけど
浪川くんとふと目があい、彼と同じ教室で過ごすなんて不可能だと思ったから、私は少し嘘をついた。
唐沢「うん、まぁ………少し熱かも。ちょっと保健室行こっかな」
うまく嘘をつけたかはわからない。罪悪感からか、少し心に穴があいた気がした。
浪川「そうか、じゃあお前送ってやれよ」
湾田「えー、俺かよ」
浪川「まだ宿題終わってねーんだよ。湾田、お前だって本当は美女と歩けて嬉しいだろ」
湾田「うっせー。………まぁ、いいけど」
二人のやりとりを私はポカンとして見つめていた。何、何で堂々とこんな会話が出来るわけ?
湾田「じゃ、行くぞ」
湾田くんに肩を押されてから初めて思った。ああ、やっぱり浪川くんが良かったかも。
ふと窓の外を見ると雪がチラチラと舞っていた。
ああ、きれいだなぁ。なんて思っていると、湾田くんが急に立ち止まり、こう呟いた。
湾田「………お前、仮病だろ」
今日の海の男!
浪川「おい、そこのお前!…俺の彼女になれ!!」
24人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涙音(プロフ) - *文月*〜huduki〜さん» 返信遅くなってごめんなさい。こんな風に誉めていただいたのははじめてです。書いていて良かったです........!実は近々この続編を上げることになりました。もしよろしかったら読んでみてください。本作よりさらに良いものになるよう精一杯執筆いたします。 (2016年12月11日 23時) (レス) id: 541fead6be (このIDを非表示/違反報告)
*文月*〜huduki〜(プロフ) - 私は5年くらいこのサイトで色々な小説を読んできましたが、その中でこの作品がダントツで面白いです。もっと熱く語りたいのですが、文字数の上限をこえそうなのでこれくらいにしておきます。気持ちが伝わると嬉しいです。これからも素敵な作品を作っていってください。 (2016年11月14日 10時) (レス) id: bb022945e6 (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 律華@Twitterはじめました。さん» コメントいただいて久しぶりに戻って参りました…とりあえず少しだけ更新しましたが、夏休みに完結できたらと思います!すっかり放置してました… (2015年7月4日 21時) (レス) id: 71e3a373e6 (このIDを非表示/違反報告)
律華@Twitterはじめました。(プロフ) - 更新頑張ってください!続き見たいです! (2015年7月4日 5時) (レス) id: 7cb333b288 (このIDを非表示/違反報告)
海王星(プロフ) - 久しぶりの更新だね笑 相変わらずの素晴らしい文才!期待に胸が弾むぜ( ´∀`)← (2014年8月9日 17時) (レス) id: c49ea11c01 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涙音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時:2014年1月14日 1時