【22】流星センチメンタル ページ30
星降「………ウソだろ」
片方しか見えない右目を大きく見開いて、ホシフルは私を見た。
西野空「ほらぁ、僕の言った通りだったでしょぉ?」
金髪メガネは相変わらず不良らしからぬ笑顔を浮かべている。するとホシフルより後ろの方で大きな音がした。
ゴリラみたいに体の大きい生徒が別の不良に蹴飛ばされていた。その不良はゴリラみたいな生徒よりずっと小さく、なんとなく弱そうに見えた。
喜多「おい星降!西野空!何やってんだよ!!」
小さくてヘアバンドを着けたその不良は、ホシフルと金髪メガネ___西野空___を睨んだ。
西野空「それがさぁ〜喜多くん!僕Aちゃん見つけちゃったぁ〜」
またニコニコ笑いながら西野空は私の肩に手を回した。
喜多「そうか。なら続けても時間の無駄だな。…おいお前ら!撤収だ!…………西野空、ちゃんとA連れてこい」
喜多は他の不良たちにも指示を出すと、ハンカチで手を拭いてから門の外へと歩き出した。…変なとこ律儀なんだなあ。
西野空「さあて、僕らも行こっか」
西野空が動いて、ハッとした。私も逃げなきゃ。
思いきり西野空を突き飛ばした。西野空は少しよろけただけだったけど、私はその隙に野次馬の中へ飛び込んだ。
星降「待て!待ってくれ!!」
星降が追いかけてくるのがわかる。野次馬たちは血だらけの私を見てパッと散った。そのせいで私はすぐに追い付かれ、左手の手首を掴まれた。
唐沢「いや!離してっ!」
必死に抵抗するけれど星降の力には敵わず、両手首を掴まれた挙げ句私はその場に押し倒された。
唐沢「うわっ!」
背中を思いきり打った。背骨と首に衝撃が走り、一瞬息がつまる。
頭もジンジンと痛む。そして目の前には星降の顔があった。
唐沢「やめて、来ないで」
完全に腰を抜かしてしまい、すすり泣きのような声しか出ない。そんな私に星降はなぜか少し失望したようだった。
星降「A、どうしてそんなに俺を拒むんだ?俺の何がそんなに悪かったんだ?
しまいには俺のこと赤の他人みてぇに扱うし………ホントなんなんだよ」
星降は顔を歪めた。泣いているのだ。
私はますます訳がわからなくなった。コイツはなんで泣いてるの?もしかして人違いじゃないのかな…
星降「A、一緒に帰るぞ」
星降は涙を拭うと、私を引き起こした。私はまた拒むけど、星降の力はとても強かった。
今日の海の男!
浪川「おい、そこのお前!…俺の彼女になれ!!」
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涙音(プロフ) - *文月*〜huduki〜さん» 返信遅くなってごめんなさい。こんな風に誉めていただいたのははじめてです。書いていて良かったです........!実は近々この続編を上げることになりました。もしよろしかったら読んでみてください。本作よりさらに良いものになるよう精一杯執筆いたします。 (2016年12月11日 23時) (レス) id: 541fead6be (このIDを非表示/違反報告)
*文月*〜huduki〜(プロフ) - 私は5年くらいこのサイトで色々な小説を読んできましたが、その中でこの作品がダントツで面白いです。もっと熱く語りたいのですが、文字数の上限をこえそうなのでこれくらいにしておきます。気持ちが伝わると嬉しいです。これからも素敵な作品を作っていってください。 (2016年11月14日 10時) (レス) id: bb022945e6 (このIDを非表示/違反報告)
涙音(プロフ) - 律華@Twitterはじめました。さん» コメントいただいて久しぶりに戻って参りました…とりあえず少しだけ更新しましたが、夏休みに完結できたらと思います!すっかり放置してました… (2015年7月4日 21時) (レス) id: 71e3a373e6 (このIDを非表示/違反報告)
律華@Twitterはじめました。(プロフ) - 更新頑張ってください!続き見たいです! (2015年7月4日 5時) (レス) id: 7cb333b288 (このIDを非表示/違反報告)
海王星(プロフ) - 久しぶりの更新だね笑 相変わらずの素晴らしい文才!期待に胸が弾むぜ( ´∀`)← (2014年8月9日 17時) (レス) id: c49ea11c01 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涙音 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/enkorimatsue/
作成日時:2014年1月14日 1時