▽悪足掻き５２話 ページ5
ショッピの言っていた言葉が嫌に耳に残っている気がした。階段で見下ろされながら言ったあの言葉は私にとって無かったものにしたいのである。だからいっそ酒でも飲んで忘れてしまおうかと思った。けれどそれをする気になれなくて、仕方なくコネシマが注いだオレンジジュースを飲み干した。
隣で鬱が項垂れている。
不意に、ピ、というインカムをつける音がして横を見れば何やらコネシマがお呼び出しを食らった様子。
kn「…すまん、行ってくるわ」
『そうですか。なら私も帰ります』
kn「いや、ここで待機しとけ。迎えは呼んだから」
じゃ。と言ってお金だけ置いて立ち上がったコネシマを見上げる。何故こうもこういうところだけはちゃんとしているのかと呆れてしまった。
がやがやと騒がしい飲み屋の中に自分と鬱だけが取り残されたこの地獄をどう交わせばいいのか。
彼が酔っているならまだしも、まだ全然飲み始めたばかりだからほぼシラフ近い。
ut「A、飲も」
へらりと悲しそうな顔をした彼になんと言ったらよいのやら。
私は今更彼等と仲良くするつもりはない。
いくら軍学校時代からの中だとはだとはいえ、あの時彼から伝わってしまったどす黒い感情を忘れることなんて出来そうもなかった。倒れたアリスに駆け寄りもせず此方に来た鬱が何を思ったのかなんて知る由もない。
まぁ、彼がどう思おうと私には関係無い。
やられっぱなしでは気が済まん。私なりの復讐とやらをしなきゃいけない様な気もしたが、その気力すら湧き上がってこない。疲弊しすぎてしまったな。
ねぇ、と鬱にグラスに入った酒を無理矢理持たされる。私がグラスを持っている手の上から、離すことを許さんとばかりに彼の手も強く重ねられていた。
『だから飲まないって』
ut「僕も口付けたやつやから大丈夫」
『ンな事聞いてないねん…‼おい、』
ut「ほら、口開けて、な？」
ぐっと口元まで持っていったグラスから甘すぎるくらいの、多いすぎる量の、酒が大量に入ってくる。
喉を焼く様な痛みがした。
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りと - 凄く面白い作品です…、どこからどこまで、いや全ては総統様の掌で踊らされてるのか…初めっから、出会ってしまった時から潜む狂気を見つけられてしまった時から、夢主はこうなるしか無かったと…見てる限りもう逃げ道無くね？？夢主はもう足掻けないのか…真相や如何に (9月27日 21時) (
レス) @page44 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - 一気見させていただきました。正直つらいです。普通に泣きました。心がもう打ちのめされて…夢主辛いよな、わかるよ、頑張れって言ってあげたい。更新いつまでもお待ちしております、作者様のペースで十分ですので完走なさることを祈っております。頑張ってください！ (2022年7月27日 16時) (レス) @page26 id: 073ffef2d2 (このIDを非表示/違反報告)
ショートピース - この作品本当に大好きです‼︎終わり方が全くと言っていいほどわからないんですよね､､､｡1話読むごとに考察が変わっていって､ほんとに続きが楽しみすぎます｡次の更新待ってます!頑張ってください‼︎ (2022年3月5日 2時) (レス) @page26 id: 4c8fcac512 (このIDを非表示/違反報告)
明引 - わー！更新されてる！！有難うございます、気長に待ってますので頑張ってください！ (2022年2月19日 14時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
炉兎 - 更新何時までもお待ちしていますので、ご自分のペースで頑張ってください。 (2021年10月1日 15時) (レス) id: 08e88269ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年8月30日 23時
