▽悪足掻き87話 ページ40
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ドタバタと走って戸を開けた。裸足のまま、多少の傷を負って。馬に無理やり乗せられて帰ってきた。どうしても乗りたくなくて、乗馬中降りようとしたがトントンに強く抱えられて無理だった。片手であの腕力じゃ、きっと逆らえば殺されるだろう。
em「！？！え、A！？！」
チーノたちはダメだ。あいつらはまだ信用できない。辛うじて話せるのはオスマンとエーミールの2人。軍学校から共にした仲なのだから多少はマシだ。鬱は論外だけど。
エミさんの部屋に勢いよく飛び込めば、疲れからか安堵からなのか力が抜けてそのまま地面に崩れた。
em「足、傷だらけだし…！ちょっと待って救急箱、」
『ええから、まって』
em「A？」
『まって』
立ちあがろうとするエミさんの袖を掴んで無理に引き止める。今立たれたら、せっかく決心したのが鈍る。
『逃げるのは、悪い事かな』
突然の話の流れにエミさんは多分困ってる。
私だってよくわかっていないのだ。それでも彼は私を宥めるようにして、優しく背をさすった。
さっき抱きしめられた事を拒んだばかりなのに、彼はそれを受け止めた。なんて自分勝手なんだろうかと我ながら自分が嫌になってくる。この狂った連中といたら気がおかしくなってしまう。今まで堪えていた何もかもがダムが崩壊したように流れ出したが、涙も声も出なくなった。
_____gr「同期として仲良くしようではないか！Aは観察力が高いからな、頼りにしてるゾ！」
嫌なフラッシュバックだった。
ここへ来たばかりの時のどうにも眩しすぎる光景に眩暈がした。手を差し伸べるグルッペンは、笑顔のまま。
_____gr「お前は使えへんからなあ」
いや違う。あの時、あの時グルッペンはなんて言ったんだっけか。
勝手に自分で言葉を曲げたんじゃなかったのか。グルッペンはこんな事を言う人間では無い。そんなことはよくわかっていたのに。傷を負うことがそんなに怖かったか。戦地で足を失うよりも、置いていかれることがそんなにも。彼らは本当に置いていったのか。
ならば今この身体を抱きしめるそれは、何故ここにいるのか。
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りと - 凄く面白い作品です…、どこからどこまで、いや全ては総統様の掌で踊らされてるのか…初めっから、出会ってしまった時から潜む狂気を見つけられてしまった時から、夢主はこうなるしか無かったと…見てる限りもう逃げ道無くね？？夢主はもう足掻けないのか…真相や如何に (9月27日 21時) (
レス) @page44 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - 一気見させていただきました。正直つらいです。普通に泣きました。心がもう打ちのめされて…夢主辛いよな、わかるよ、頑張れって言ってあげたい。更新いつまでもお待ちしております、作者様のペースで十分ですので完走なさることを祈っております。頑張ってください！ (2022年7月27日 16時) (レス) @page26 id: 073ffef2d2 (このIDを非表示/違反報告)
ショートピース - この作品本当に大好きです‼︎終わり方が全くと言っていいほどわからないんですよね､､､｡1話読むごとに考察が変わっていって､ほんとに続きが楽しみすぎます｡次の更新待ってます!頑張ってください‼︎ (2022年3月5日 2時) (レス) @page26 id: 4c8fcac512 (このIDを非表示/違反報告)
明引 - わー！更新されてる！！有難うございます、気長に待ってますので頑張ってください！ (2022年2月19日 14時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
炉兎 - 更新何時までもお待ちしていますので、ご自分のペースで頑張ってください。 (2021年10月1日 15時) (レス) id: 08e88269ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年8月30日 23時
