▽悪足掻き６４話 ページ17
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『んぇ、料理長…‼?』
深夜2時を回った頃。
何故だかお腹が空いてしまって、人をがいないのを確認してから食堂に来た。本来であれば12時以降の一般兵の立ち入りは禁止されているのだが、私が入ったところでどうせ誰も気にしないだろう。そう思って食堂に来てみれば、厨房の明かりが一つだけ点いていて、カチャカチャと食器のぶつかる音がしてきた。
まさか誰かいるのかとどきどきしながら見てみれば、そこにいたのは数日ぶりの料理長の姿。
「Aちゃん…‼…良かった。ほんと、本当に、本当に心配したんだよ、！」
４０を少し過ぎた大の大人のおっさんが何をそんなに涙目になる事があるのか。
心の内ではそう、表に出さまいと思ったが、料理長がまだ厨房に立てている姿を見て喜んでいるのが事実。あの日を境に全く会う事が無くなったから尚更な事だった。
『落ち着いてや料理長…』
「落ち着いてなんかいられるものか！私の疑いは晴れたけど、君は物凄い噂が立ってるし。娘同然に思ってるんだから当然だろう」
『うわさ…』
「あの例の幹部を刺し殺したとか」
『殺してへんわ』
刺したのは合っとるけど。
この人の前ではいい人面するのもアリなんかなって。
持っていた皿をテーブルに置いて、フライパンを持った料理長は「何が食べたい？」と久しぶりに私にオーダーをとった。勿論料理長のお勧めで、と言ったが、中々決まる事が無さそうなので、お子様ランチと言っておいた。
「…随分、やつれたね」
野菜を切りながらそうぽつりと溢した料理長を眺める。手際がいいのは相変わらずだった。
側に椅子を置いて腰を下ろす。
『せやろー。最近忙しいかったからなぁ』
「あまり無理をしてはいけないよ。Aちゃんは、少し抱え込みすぎるから」
『要領悪いんやから、抱え込むなんて無理やって。全然、思い詰めても無いで』
「…ならいいけどね」
まったく、と深く立ち入って来ない料理長には頭が上がらなかった。彼はきっと何でも見えているんだろう。長年ここに勤めてきた料理長だから分かるものがある筈だ。だって、彼も何人もの兵士を見送ってきた人間の一人なんだから。
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りと - 凄く面白い作品です…、どこからどこまで、いや全ては総統様の掌で踊らされてるのか…初めっから、出会ってしまった時から潜む狂気を見つけられてしまった時から、夢主はこうなるしか無かったと…見てる限りもう逃げ道無くね？？夢主はもう足掻けないのか…真相や如何に (9月27日 21時) (
レス) @page44 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - 一気見させていただきました。正直つらいです。普通に泣きました。心がもう打ちのめされて…夢主辛いよな、わかるよ、頑張れって言ってあげたい。更新いつまでもお待ちしております、作者様のペースで十分ですので完走なさることを祈っております。頑張ってください！ (2022年7月27日 16時) (レス) @page26 id: 073ffef2d2 (このIDを非表示/違反報告)
ショートピース - この作品本当に大好きです‼︎終わり方が全くと言っていいほどわからないんですよね､､､｡1話読むごとに考察が変わっていって､ほんとに続きが楽しみすぎます｡次の更新待ってます!頑張ってください‼︎ (2022年3月5日 2時) (レス) @page26 id: 4c8fcac512 (このIDを非表示/違反報告)
明引 - わー！更新されてる！！有難うございます、気長に待ってますので頑張ってください！ (2022年2月19日 14時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
炉兎 - 更新何時までもお待ちしていますので、ご自分のペースで頑張ってください。 (2021年10月1日 15時) (レス) id: 08e88269ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年8月30日 23時
