▽悪足掻き６３話 ページ16
交流会。
ci「Aが参加するのは社交会…まぁ夜行パーティーにちょっと顔出すだけでええって」
『…何でそんな貴族の遊びに』
ci「貴族サマの支援あってのこの軍やから。手は抜けへんやろ。軍事費の役４割支援してくれとる訳やし、それが無くなったらもう終わりやねん」
毎年行われる"貴族との交流会"。
これは軍に関係あったり、国の重役なんかが集って社交界を開く一大イベントである。午前は式典、午後は交流会、そして夜は舞踏会の様な感じで、如何にも貴族が好きそうな流れである。とはいえ、そんな貴族あってのこの軍。大きな支援を受けている以上、外せないイベントでもあるのだ。
しかし何故そんなものに私が。
あの社交界は、交流会だなんだと言っているものの、若人やら何やらが集うただの婚約者探しの様なもの。
財閥の令嬢やらがここぞとばかりに、軍の重役に這い寄ってくる場所だ。
ci「ほんまは、アリスが出る筈やったんやけど」
チーノがにっこり笑った。
ci「おらんから」
もうこれは拒否権を剥奪されてしまったらしい。自業自得だと言わんばかりの彼の視線が再び刺さった。
ci「所作なんかは…」
『わかる。嫌ってくらいに叩き込まれた』
ci「ま？誰に?意外」
『忘れたわ』
これだって嫌なくらいに覚えている。
教えてくれたのはエミさんだった。
踊る相手は鬱だった。
マンちゃんが爆笑してたのは忘れられない。
遠い昔の記憶に想いを馳せながら窓の外へと目をやった。今思えば、皮肉なことに役立ってしまうこの記憶。一体何のために覚えたのかは忘れたが、こればかりはエミさんに感謝するしかない。先程喧嘩したばかりだというのに何故こんな複雑な思いにならなければならないのだろうか。
どれもこれも、全部、ぜんぶ、
『で、いつあるん』
ci「来週の末。会場におるのは、グルッペンとトントン。後の配置はどうなるか分からん」
『…辞退したい』
ci「却下。今日のグルッペンの件聞いたで。災難だったみたいで」
ご愁傷様。と笑顔を貼り付けたチーノが、視界の端にちらりと映った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1758人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りと - 凄く面白い作品です…、どこからどこまで、いや全ては総統様の掌で踊らされてるのか…初めっから、出会ってしまった時から潜む狂気を見つけられてしまった時から、夢主はこうなるしか無かったと…見てる限りもう逃げ道無くね？？夢主はもう足掻けないのか…真相や如何に (9月27日 21時) (
レス) @page44 id: ffe5a6a019 (このIDを非表示/違反報告)
菊(プロフ) - 一気見させていただきました。正直つらいです。普通に泣きました。心がもう打ちのめされて…夢主辛いよな、わかるよ、頑張れって言ってあげたい。更新いつまでもお待ちしております、作者様のペースで十分ですので完走なさることを祈っております。頑張ってください！ (2022年7月27日 16時) (レス) @page26 id: 073ffef2d2 (このIDを非表示/違反報告)
ショートピース - この作品本当に大好きです‼︎終わり方が全くと言っていいほどわからないんですよね､､､｡1話読むごとに考察が変わっていって､ほんとに続きが楽しみすぎます｡次の更新待ってます!頑張ってください‼︎ (2022年3月5日 2時) (レス) @page26 id: 4c8fcac512 (このIDを非表示/違反報告)
明引 - わー！更新されてる！！有難うございます、気長に待ってますので頑張ってください！ (2022年2月19日 14時) (レス) id: 03af4fb6da (このIDを非表示/違反報告)
炉兎 - 更新何時までもお待ちしていますので、ご自分のペースで頑張ってください。 (2021年10月1日 15時) (レス) id: 08e88269ec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2021年8月30日 23時
