▽渇望9 ページ10
gr「あ、待て。その前にうちに寄ってくれ」
tn「はぁ…？仕事中なんですけど」
gr「頼む。Aの忘れものだ」
tn「…はいはい」
ﾋﾟﾋﾟｯとナビを入れたトントンさんは運転士に指示を出しながら車を発進させた。隣に悠々と座るグルッペンさんは何をしているのかと軽く睨めば「そんな顔するな」と親指で眉間を押された。
一体誰の所為だと思ってるんだこの人は。彼の手を軽く払って、移り変わる窓の外の景色へ目を向ける。
信号が赤に変わって、景色は動かなくなる。仕方なく窓から目を離せば、ミラー越しにトントンさんと目が合って、すぐに目を逸らされた。
gr「A、洋食と和食、どちらがいい？」
どちらも嫌だと言ったら一体彼はどんな顔するのか。
もしかしたらこのまま家に帰れるかも知れないと思って、『どちらも嫌です』なんて犯行的な態度をとってやれば彼は楽しそうに笑うだけだった。
.
車を降りて着いたのはグルッペンさんの家。
今朝この家から出てきたと思うと寒気がする。大きすぎだ。「入らないのか？」と外に車を待たせて玄関の鍵を手早く開けたグルッペンさんは此方を振り向いた。またここに、私からすれば事件現場に足を踏み入れなければならないのかと中々躊躇いがあるんだけれど。
渋々彼の家へと足を踏み入れる。自分の家では無いというのに寝室の居場所が一発で分かってしまうのが嫌になった。本当に昨晩やらかしたのだな、と。
、夢であって欲しかった…。
gr「あったのか？」
『え"っ…ぁ、ぁあ、はい。すみません、お手数おかけましました』
gr「別に構わん。…で？和食と洋食どちらが好きなんだ？A。先週は接待で和食屋に行った様だが」
『そうですねぇ…って、は？』
gr「ん？」
先週、和食屋に、行った？
何故知ってる…？
私は確かに部長の付き添いで和食屋に行き、今後の事についてなんとなく話ながら食事をした。ただそれは私と部長、それかららだくらいしか知らない。
何故グルッペンさんがしってる？と疑いの目を向ければ「すまん」と一言声を出した。
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ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです｡大好きです｡無理なさらず、更新頑張ってください｡ (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき！！！！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月16日 16時
