▼渇望22 ページ23
.
ut「でもほんと、なんも無くて良かったわ」
この一言が良くなかったのだと思う。俺自身もあぁ言ってしまったな、と遅れて気がついた。これが動画なら確実にカットされているであろう一言。
この言い方ではまるで前に何かあったみたいじゃないか。グルッペンもAさんもその一言にピシリと固まった。
ここにシッマがいなくて良かったと心底安心する。
ci「あ…おふたりそういう、」
syp「まぁでも大人ならよくある話だし」
tn「そう頻繁にあっても困るけどな」
zm「え、あ、あー、成る程？」
sha「今のは大先生が悪いわ」
ut「ごめんなさい！！！！！！」
「珈琲いれよか」と足早に台所に行ったのはトントンだった。はーこれだからどうてーは！！！と茶化してもいいのだが今のは俺が悪いので何も言わない事にした。Aさんに再度謝れば別に大丈夫だ、と。
むしろ気遣いしなくて済むから、と。
グルッペンの方も何故だか特に嫌そうな顔をしていない。あの日社長室で見た指の噛み跡、まさか本当に彼女がやったとは思いもしなかったが。
しかもこんな可愛いAさん…？
グルッペンばっかずるいわー。
gr「…という訳だ。お前ら手出すなよ」
『いやいや待ってください。私もグルッペンさんも特に何かある訳じゃないですし』
gr「ん？あぁ、そうか…」
さてどうしてくれようか、と悩むグルちゃんの顔は何かしら企んでいる顔。
俺含めた全員手を出すつもりは更々無いのだが。これは長くなりそうやな、なんて考えながら立ち上がって床に落ちていた自分のネクタイを拾い上げた。
グルッペンとAさんが付き合おうと結婚しようと正直自分はなんでもいいのだが、グルッペンのやり方に彼女が耐え切れるかが心配なところではある。
グルッペンもいち企業の社長、見合い話は聞いたりするが受けているのは見たことが無い。
そんなグルちゃんが選んだあの東雲Aという人間、簡単にガタが来なければいいけれど。
gr「A、時間は大丈夫なのか？」
『あぁ…今から焦っても遅刻ですよ』
gr「トン氏連絡頼めるか?」
tn「もうやったわ。勝手にすまんなAさん」
『！いえ、ありがとうございます』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (
レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです｡大好きです｡無理なさらず、更新頑張ってください｡ (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき！！！！ (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2021年1月16日 16時
