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▽渇望20 ページ21

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gr「ん"ン"…さっむ」


寒いね、寒いですね…。主に貴方の所為ですけどねグルッペンさん。

遡ること数時間前。結局私以外全員酔い潰れてしまいリビングで雑魚寝してしまった一同。流石に寒いから鬱さんの寝室から勝手に毛布やらを拝借して一人一人掛けて回った。ここから出るか迷ったのだがなんせ部屋の鍵が無い。高級マンションとはいえ戸締りはするべきだろうし…


そして結局私もこの部屋に残る事にして潰れたグルッペンさんを少し避けてソファに戻ったのだがそれが駄目だった。「お前も寝るんだよ」とがっちり抱き締められまま狭いソファに私とグルッペンさんで崩れ落ちた。



『グルッペンさーん…』
gr「…さむい」
『くっそ…、』



そうして数分前暑いからと毛布を蹴ったのはグルッペンさんの方である。そして今冷えて寒い、と。

あんたが!!!毛布を!蹴ったんだよ!!!
と怒鳴り散らかしたい気分だった。
身動きが取れる範囲で床に落ちた毛布に頑張って手を伸ばす。掴んだ毛布を掛けてやれば今度は「水」と低い声が聞こえる。おぉん?殴ってやろうか??



『…仕方ないか。取ってきますね』

gr「…まて、俺も行く」

『いやいいです。水取り行くだけなんで、寝てて構いませんよグルッペンさん』

gr「うるさい」



不機嫌そうにゆらりと立ち上がったグルッペンさんは、やはりまだ半分夢の中なのか知らないが机の角にガタンと足をぶつけていた。ざまぁみろだな。
とか思いつつも少し心配なので、手を貸して台所までやってくる。

なぜこの年になって二人で水取りにいかなきゃならないんだ…夜が怖くて一人で飲み物取りに行けないのとか5歳で終わったぞ。



『はいどうぞ、水です』
gr「あぁ、すまん」
『飲んだら寝てください。深夜ですよ今』
gr「ん?…あー、」



空になったカップを置いて目頭を押さえて唸ったかと思えば数度瞬きをして突然私の腕を引いた。
そしてそのままずるずると壁にもたれかかっていく。再び抱き締められた形になって今度は床にへたり込んでしまった。いやいや本当寒いし身体痛めるしでソファに戻りたかったが、どうやら既に彼は夢の中らしい。

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ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです。大好きです。無理なさらず、更新頑張ってください。 (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき!!!! (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月16日 16時

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