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▽渇望1 ページ2

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朝からどたばたと煩いのは九割私の所為だった。
隣の男から離れろと脳が警告を出した1秒後には、私はもう掛け布団を金髪から引っ剥がしてそれにくるまり、一人勢いよく部屋の扉の前へしゃがみ込んだ。
「おい」と金髪は寒そうに腕をさすった。救いにも、彼は既にズボン等は履いている様で。



gr「おっ、落ち着け…俺はグルッペンだ、待て待て、分かったから早よこっち戻れ、風邪引くゾ」

『それは此方の台詞なんですけど、平然と他人の下着と服持って近寄って来ないで下さい…』

gr「分かった、投げるから」

『いや投げるな』



どっちやねん、と不服そうな顔をした金髪は拉致があかないと結局服やら何やらをベッドの上へと放り投げた。一体全体何がどうなっているんだ、と思考を巡らせた。金髪、もといグルッペン…さんは、床に落ちていた自身のシャツを着るなり、緩くネクタイをした。

携帯のパスワードを入力して、素早く画面をタップして出した彼は、此方にゆるりと顔を向けて、携帯画面を此方に向けながらゆっくりと歩み寄ってきた。


いやだ来るな、と全力で首を横に振ってみるが夢ではない様。呆れたため息を吐いて、彼は私の前に屈んだ




gr「ほら、見ろこれ。昨日嫌々呼ばれて行った合コンの誘いだ。それで全員潰れた後、お前だけ何となく意識があって…」
『…つ、つまり?』
gr「言っておくが俺からは手を出してない」
『つまり?』




それ言わせるのか、と携帯の画面を真っ暗にした彼から目が離せられない。

ばくばくと音を立てる心臓がうるさくてそれどころでは無いのだ。この心音が青春によるものだったらどんなに良かったのだろうか。純情とはかけ離れた、酒による過ちを私は今後も引き摺って生きねばならないと思うと、社畜の方がまだ楽だと感じた。
すっと、彼が息を吸って口を開いた。




gr「全部Aからだ」




あぁ、どうか夢であってくれ。



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ビジネス不仲? - 詐欺師の朝ごはんはやばい (2021年8月25日 14時) (レス) id: 7e1bdb3c05 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - 待っておりました。お忙しいと存じ上げておりますが、素敵な読み物の続きが出たのが嬉しく、また感想を送ってしまいました。お変わりなくご息災を願います (2021年5月4日 12時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
有馬(プロフ) - とても素敵な読み物をありがとうございます (2021年5月2日 21時) (レス) id: 0957251bb6 (このIDを非表示/違反報告)
つくもがみ(プロフ) - 好きです。大好きです。無理なさらず、更新頑張ってください。 (2021年2月7日 15時) (レス) id: 5dd14ac0cc (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - すっき!!!! (2021年1月31日 22時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2021年1月16日 16時

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