▽落とされる9 ページ10
zm「なんやお前、ロボロとトントン早退させて…何様のつもりなん？」
『生憎私は暇じゃ無い』
zm「逃げんな」
帰ろうと扉へ足を向けるも腕をぐっと引っ張られた。この状態で腕を握ったままの手で爆破でもされたら、考えただけでも恐ろしいね。腕がぱぁんだよ。言う通り止まれば「人の言うこと聞けたんやな」と煽りを貰う。焼け焦げた匂いのする教室には、数名の怪我人。
ut「はいゾム、終わり。な？？？」
ゾムを私から引き剥がした鬱君は間に立ってゾムを睨んだ。幼馴染とはいえ護衛。
こう言う時の対処法はどうやらしっかり学んでいる様で、拙いながらもいつかまた教科書の通り私を背に隠した。
掴まれた腕にはまだ感触が残っていた。硝煙の匂いも好きでは無いし、早くこの場から立ち去りたいのに。
zm「…朝、大先生やって水かけられてたやろ」
ut「あれは俺が悪いねん。あと、水なんてすぐ乾かせるやつやで？軽いもんやから」
zm「なんでそいつの味方するん大先生」
にこにことしていた鬱君の笑顔が、表情が、だんだんと力無くなってついに無表情に変わった。すっと細められた目がゾムに向けられたままで。
時々見せるこの鬱君の表情は、子供の頃からとても苦手であることを思い出した。ゆらりと一歩踏み出た鬱君は私の手を取ってしっかり後ろへと隠した。
ut「俺の、幼馴染やから？」
…何故、疑問符。
そこはかっこよく決めとけよ！と内心思うも口には出さなかった。幼馴染だから守る必要も無い。言ってはいけなかった幼馴染という単語は口から飛び出た咄嗟の言葉で、言った後に鬱君は私に「ごめん」と口パクで謝ってきた。
zm「ふぅん…幼馴染、王様の？」
ut「だからその、王様呼びやめへん？ゾムさん。俺嫌いやねん、王様呼び」
お前今日、朝私に王様って言ってたよね？ね？ね！？なのになんだそれはと鬱君の顔を見たが、いたって真剣な様で。相変わらずかんがえていることは分からない。
zm「王様が王様やめたら、な」
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和奏(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…… (2022年7月23日 1時) (
レス) @page30 id: 670d6c146b (このIDを非表示/違反報告)
葛 - 帰って来て欲しい、、この作品はめっちゃ神だから、、我儘言ってごめんなさい。他でなんか言ってたらすみませんm(_ _)m (2021年4月1日 11時) (レス) id: e3a78427cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月5日 17時
