▼落とされる47 ページ47
トントンはこの後他の生徒の試合を見るから、と大先生は女と会ってくるからと医務室を出ていった。それでいいのか護衛と総ツッコミを受けていたがAと大先生の間じゃそんな事は今更なのだという。
強制的に布団へ寝かされた俺は、再び静かに安眠できる訳もなくぼんやりと天井を眺めていた。
今日の学園会は正直少しだけ楽しみだった。
あと残りの学園生活はきっと軍人になる為もっと本格的授業が始まるだろうし、友人と全力で遊べるのもきっと今年が最後になるだろう。だからなるべく多くの競技に出て、笑いあえたらそれでいいなだとからしくもないことを考えていた。
結果こうして医務室で例年通り寝かされているんだけれど。
俺は去年、Aに負けた。きっと彼女も気づいているのだろうがわざとであった。それは全て今日のため。
勝たされた屈辱的なそれを1年間俺へ向けさせて、視界に無理矢理俺を入れさせる。そうして去年分の憎しみを引っ張り出して最大限の魔力を引き出す。少なくともこの1年間、不本意な形だとはいえ俺を見てくれていた事は間違いない。俺だけ見てくれていれば、それで。
この楽しめる最後の1年間をどうしても俺に費やして欲しかった。
これは可愛らしい恋心などではない。
これは、この王様を落とす為の長い長い物語。
gr「………」
ゆっくりと上半身を起こして、足を地面に付かす。びりびりと身体が痛む感覚がして少しだけ顔を歪めた。
カーテンを静かに開けてAの寝るベッドへと腰掛けた。さらりと髪に指を通せば、手の甲に彼女の肌が触れた。窓から吹き抜けた優しい風がカーテンを揺らす。
今年に入って、Aが大先生以外と関わる様になって絆されているのが事実。今まで見た事ない彼女の部分を目にしてしまってはどうにも今まで通りにはいかなさそうだ。
とはいえ、どうせ此奴は普段通りで特に何が起こるわけでもなく、周りの共通認識で俺とAは不仲のままなんだろうけど。
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和奏(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…… (2022年7月23日 1時) (
レス) @page30 id: 670d6c146b (このIDを非表示/違反報告)
葛 - 帰って来て欲しい、、この作品はめっちゃ神だから、、我儘言ってごめんなさい。他でなんか言ってたらすみませんm(_ _)m (2021年4月1日 11時) (レス) id: e3a78427cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月5日 17時
