▽落とされる27 ページ28
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今日は朝から気分が悪かった。
ai「Aお嬢様、鬱様が外でお待ちですよ」
え"、と喉が潰れた様な声が出た。その声に特に驚く事もなくアイザックはてきぱきと部屋の掃除をし始めてしまった。昨日の今日で、当たり前のようにここへきた鬱君だが、私の方が普段通りに出来るわけもなく。
いつまでも部屋を出て行こうとしない私を見兼ねてか、アイザックが気を利かす。
今日は馬車を出しましょうか、と。
私は数秒考えてから首を横に振って、アイザックの提案を断った。
すぐに鞄を持って門前へと足を運べば鬱君が一人立っていた。この光景にも見慣れたものだ。片手を上げてひらりと手を振り、おはようといちばんに挨拶をされる。
謝らねばと頭では考えていながらも、いつまで経っても来ない挨拶といつまでも下を向きっぱなしの鬱君を不自然に思って、彼から一メートル程離れた場所でぴたりと足を止めた。
『…』
ut「…」
『…鬱君』
ut「…」
彼が、私の声を無視する事は一度もなかった。
逆は良くあったけれど。
『…鬱く、』
そこまで声を出してところだった。ばっといきなり彼は顔を上げて、見たことないくらい一瞬でまた頭を下げて声を出した。
ut「ほんっっっとにすみませんでした！！！！」
きょとん、とする使用人。
あっけらかんと鬱君を見下ろす私。
何が何だか分からず顔を上げてよ、と一言言えば再びゆっくり顔を上げた鬱君。私と向き直って今日初めて目があった。澄んだ紺の瞳が綺麗だと思った。いつもなら胡散臭いその笑みも何故だか安心できるような気もした。
またいつも通りに過ごせるんだと思う自分と、謝るのはこちらの方なのにと自己嫌悪に陥る自分がいた。
『なに、』
ut「昨日僕が意地張ってAちゃんに迷惑かけてしまって…挙句置いて帰るとかマジであかんかったなと反省してます。Aちゃんに朝からそんな顔させてしまって申し訳ないです。護衛なのに全然なんも出来てないし…職務放棄なんてしとったら昨日言われた通り僕落ちるやろうし…Aちゃんの言う通りやな、って…ごめん」
捨てないで、なんて。
まるで私が悪者だ。
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和奏(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…… (2022年7月23日 1時) (
レス) @page30 id: 670d6c146b (このIDを非表示/違反報告)
葛 - 帰って来て欲しい、、この作品はめっちゃ神だから、、我儘言ってごめんなさい。他でなんか言ってたらすみませんm(_ _)m (2021年4月1日 11時) (レス) id: e3a78427cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月5日 17時
