▽落とされる13 ページ14
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コネシマ君、そう呼ぶ程度にこの短時間で距離を詰められた。そんな彼はもうこの場にはおらず、鬱君と帰りの馬車を待つ。夕方や夜は人.攫いの時間だから無闇矢鱈に外を歩いたらいけないのだ。だから父の配慮もあって帰りだけは馬車が来る。
執事であるアイザックが馬車でやってくるのだが、今日は何だか遅い気がした。
ut「ザックさん遅いなぁ」
『道が混んでるんだよ』
ut「あ…そういえば近々学園会があるんやっけ」
『その所為だろうね』
ut「はぁ〜、たかが生徒の学園会のためによくやりますわ」
学園会。
年に一度開かれる、謂わば舞踏会の様なもの。8時以降の夜は舞踏会となるのだが、3時から8時までは全校で魔法の競技会が行われる。今まで培ってきたものをそこで披露するのだ。
最高学年問わず運が良ければそこでプロからスカウトもくるし、それを受けるも蹴るも自由。それを受けて途中で受けても卒業過程とみなされ、しっかりこの学園の卒業認定も貰える仕組みだ。
『いやいや、超特大イベントでしょ』
ここでチャンスを掴んでしまえば明るい未来が待っている。だから色々な所から観客が来る。
とはいえ厳正な新作を得て漸く来校出来るから、誰でも入ってこられる訳ではないが。
ut「ま、僕とAちゃんには関係無いけど」
『そうかな』
ut「Aちゃんはもう未来が決まっとるし、僕もこのままいけば護衛役やし。学園会は可愛い女の子達ときゃっきゃ出来ればそれでじゅーぶん」
『はは、鬱君が落ちなければの話ね』
しん、と静まるあたり。あぁしくったな、と久しぶりに思った。彼は大して気にも留めてない風で「せやね」と濁した。だが私にはちゃんと彼が心傷している風に見えた。今朝の事もある。謝らなければ。
落ちて来た髪を耳にかける仕草が妙に大人っぽく見えて、いつの間にか遠くにいった彼とばちりと目があった。
私は落ちないが、彼はS１クラスのギリギリにいる。
ut「Aちゃん、ザックさん来たで」
ごめん、と開きかけた口を閉ざしてそのまま馬車に二人で乗り込んだ。
そうして帰りは、お互い一言も交わさなかった。
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和奏(プロフ) - めちゃくちゃ好きです…… (2022年7月23日 1時) (
レス) @page30 id: 670d6c146b (このIDを非表示/違反報告)
葛 - 帰って来て欲しい、、この作品はめっちゃ神だから、、我儘言ってごめんなさい。他でなんか言ってたらすみませんm(_ _)m (2021年4月1日 11時) (レス) id: e3a78427cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2021年1月5日 17時
