▽感情57 ページ10
隠密行動。昔上官に教わった。基礎中の基礎。
私の前を歩いて人混みの中、手を引いて歩くゾムさんも隠密行動は上手い様だった。すれ違う人々は皆楽しそうに、買った洋菓子を食べたり、大声で騒いだりと大変忙しそうだった。私の身長では書記長やグルさん、それからあの女の人は見えない。
何だか嫌な予感がした。
嘘の吐けない、昔の上官を見ている様で。
そうしていきなりゾムさんが人混みの中で立ち止まる。気づかずに背にぶつかった。
『すみません』という声は賑わう人に掻き消される。
zm「高そうな店…、」
『…ゾムさん？』
zm「俺らも向こうでなんか食おうか」
『…』
zm「ハンバーガーでええよな」
どうやら書記長達は私たちの目の前にある高そうな店に入っていったらしい。完全個室、というもの。
人通りは多かったが当然、その店へ入っていく者は少なかった。ゾムさんはその店から遠ざける様に私の手を引いて賑わう店の中へと入っていく。
なんだか落ち着かない。
こう言う店には来たことが無い。こういう街にすら。
見た事もない、聞いた事もない料理。
ゾムさんはぱっぱと私の分まで注文した。それから数分で、大量の"ハンバーガー"という食べ物や、ジュースやらが運ばれてきた。
「腹減ったやろ?」と首を傾げて、私の方へハンバーガーを一つ手渡した。
zm「ぁ…もしかして食べた事無いん？美味いで！ほら！！」
.
zm「もう腹いっぱいなん？」
『…美味しかったです』
zm「んー、ならええわ！良かった！」
ハンバーガー、というのは美味しい食べ物だったが、私には量が多すぎた。何個目かのハンバーガーを食べ終えたゾムさんは飲み物を口にする。
隠密行動の事なんてすっかり忘れた様に、今度は何しようかと歯を見せて笑った。
貰ったドリンクは炭酸の林檎味だった。ゾムさんは何故か私がそれを飲んでいるのを見つめていた。
zm「美味しい？」
『はい』
zm「んふふ、また来よな！…って、せや。トントン達忘れてた」
．
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すみれいん(プロフ) - 零さん» す、すげぇ…もう…考える力が凄いです。素敵なお話ありがとうございます！！！ (2021年1月31日 17時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - おぼろどうふさん» えぇ！！！ついにですとも！！！ありがとうございます笑 遂にですね…本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - シャノ＠楓さん» 声が…声が……声の重要性は感情が芽生えたからこそ分かったんです……声がぁ…（自分で書いてて悶えてます） (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみれいんさん» 飴ちゃんがこんな風にして使われるのは、knさんが飴渡し始めた時から構想にいれたりはしてました笑 ありがとうございます、そう言って頂けるととても嬉しいです！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 真さん» 書いてる自分もしんどくなってたりします……… (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年12月30日 18時
