▽感情51 ページ4
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私が足を挫いてしまってから一週間。もうあと少し安静にしていれば治るだろうから、とぺ神さんに言われた。窓の外はまだ"銀世界"というやつ。空から降るのは"雪"。暫く外を眺めていれば「Aさん」と声が掛かった。
em「問題の方は解けそうですか」
袖無しのセーターを着て、数束の書類と辞書を持つ色素の薄い彼はエミさん。冬休み前までは学校で授業を受けていたから、話す事が少なくなってしまった人。
だからこうして、長期期間に入るとエミさんはずっと私に勉強を教えてくれている。
問題、解答、疑問、応答、と同じ流れを繰り返して数十分。すぐ横に積まれていた問題集の山は気づけば半分ほどになっていた。
『はい、エミさん』
em「Aさんは記憶力が高いから、私も教え易いです」
『？』
em「んーと…Aさんに勉強を教えるのは、"楽しい"という事ですよ」
『…そうなんですか？』
em「えぇ、そうですとも」
私の横に座ったエミさんは、筆入れから万年筆を取り出して書類を纏め始めた。私も同じようにまた勉強に戻ろう、とペンを持ち直した時だった。
ふとエミさんが手を止めて、「そういえば」と口を開いた。首を傾げて何やら考え始めたエミさんを黙って見つめる。
em「Aさん、身体は鈍らないんですか？…ほら、学校でも護身術なんか習ったでしょう？復習とか…ゾムさんは強すぎるので却下ですけど、コネシマさんなら相手してくれますよ」
彼、あぁ見えて優しいですから、と笑顔を向けるエミさんは私にそう提案をした。
そういえば護身術なんてあった、と言われてふと思い出す。護身術なんて優しいもの、基礎中の基礎、とうの昔に上官に教わっているのだから。身体に染み付いたそれは離れる事なく、いつやっても戦えるのだけれど。
それに、書記長に万一があったら、私も動かなければならないだろうから。
『…エミさんがそう言うなら』
em「それなら話は早いです。トントンさんにも言っておきますよ、きっと許可してくれますから」
『本当ですか…？』
em「…ふふ、Aさんの事なら肯定すると思いますよ」
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すみれいん(プロフ) - 零さん» す、すげぇ…もう…考える力が凄いです。素敵なお話ありがとうございます！！！ (2021年1月31日 17時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - おぼろどうふさん» えぇ！！！ついにですとも！！！ありがとうございます笑 遂にですね…本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - シャノ＠楓さん» 声が…声が……声の重要性は感情が芽生えたからこそ分かったんです……声がぁ…（自分で書いてて悶えてます） (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみれいんさん» 飴ちゃんがこんな風にして使われるのは、knさんが飴渡し始めた時から構想にいれたりはしてました笑 ありがとうございます、そう言って頂けるととても嬉しいです！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 真さん» 書いてる自分もしんどくなってたりします……… (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年12月30日 18時
