▼感情68__gr side ページ21
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がくん、と真下に落ちる感覚で目を覚ます。
gr「…あっ！トン氏は！？！おいコネシマ！起きろ！」
身体中が痛い。総統室のあのソファで爆睡したのはいつぶりだったか。雑魚寝するコネシマを揺するも全く反応は無い。昨夜飲んでいた筈のマリーナ嬢もトントンもいない。まさか、と嫌な予感がした。
昨日のあの急な眠気は、酒のせいにしては強すぎる。
睡眠薬の類か…？
よれてしまった上着を脱いで、急いで廊下に飛び出した。まさかトン氏、早まってないやろな。
トン氏は信頼出来るとしても、あの女が何をしでかすかは分からない。
ぼさぼさの髪を整えながら書記長室に向かえば、廊下の壁際に小さく蹲った影が視界に入った。
gr「…は？」
小さな影。蹲って、一ミリも動かない。見慣れた髪型、服は仕立て屋が用意した寝着、就寝前の格好。
gr「A…⁉」
『…』
gr「こんな寒い廊下で何してる」
『…ん、』
顔をゆっくりと上げた彼女の顔がだんだんと元に戻っていく。靴下も履かずに、何故こんな真冬の廊下に一人座っているのか。
状況が飲み込めたらしいAは、俺の顔を見て数度瞬きをした。『おはようございます』なんて口している場合じゃないぞ。なにしてるんだ。
gr「…トン氏はどうした？」
『部屋の中にいます』
gr「何故此処にいる？」
『…私は、外で大丈夫だと、言うので』
gr「何がだ」
何が大丈夫なんだ。
ゆらりと立ち上がったAは、小さくくしゃみをした。あぁ、上着を持ってくれば良かった。
話を聞けば、昨夜マリーナ嬢が押しかけてきて、部屋を追い出されたのだそう。二人とも酔っている様子で、どうしようもなかった、と。
それを語るAの表情は相変わらずで、どこか酷く怯えている様にも見えた。
Aの着替えやらも全て書記長室の中にある。
ただ、今入るのにはたとえ俺でも勇気がいる。
gr「A、俺の部屋で一旦着替えような。それで朝食を先に取ろう。もう朝だし、丁度いい」
『書記長は？』
gr「…今は、お前の知る奴じゃないかもしれん。それでも、昨晩の様に会いたいか？」
『…』
はいともいいえとも言わないAを抱き抱えて、俺は総統室へと戻った。
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すみれいん(プロフ) - 零さん» す、すげぇ…もう…考える力が凄いです。素敵なお話ありがとうございます！！！ (2021年1月31日 17時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - おぼろどうふさん» えぇ！！！ついにですとも！！！ありがとうございます笑 遂にですね…本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - シャノ＠楓さん» 声が…声が……声の重要性は感情が芽生えたからこそ分かったんです……声がぁ…（自分で書いてて悶えてます） (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみれいんさん» 飴ちゃんがこんな風にして使われるのは、knさんが飴渡し始めた時から構想にいれたりはしてました笑 ありがとうございます、そう言って頂けるととても嬉しいです！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 真さん» 書いてる自分もしんどくなってたりします……… (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年12月30日 18時
