▼感情63__ut side ページ16
やっと慣れて来たこの環境に、"異物"が入り込んでAちゃんが大丈夫な訳無い。何処の誰だかわからなかったが、シッマに続いて俺も挨拶をすれば、マリーナというのが誰なのかすぐにわかった。
まさか、トンちの婚約相手とは。ずるいでトントン、一人で抜け駆けする気やな。
でも一応まだ、決定はしていないらしい。
だとしても、本気なん？？
tn「おい大先生、Aなら俺が」
ut「はぁ…分かってないなトントン、マリーナ嬢おんのにAちゃんを優先するん？」
tn「は、？」
ut「ひどいわ、ほんま」
すぐにトントンの顔色が変わったのが分かった。
先程書類で怒らせたばかりだというのに、また怒らせてしまった。
tn「…いい加減にせえよ」
ut「それは僕の台詞なんやけど」
トンちって、Aちゃんが好きとちゃうん？
なのに何で皆んなに内緒で話進めとんのや。
珍しくシッマが大人しい。「トントンさん」と耳障りな声が聞こえる。勿論それはマリーナ嬢のもの。何で自分が今こんなにも、このよく分からない女に嫌悪感を抱いているのかは自分でも分からなかった。
マリーナ嬢は俺の事を怯えた様な目で見て、トントンの腕に半ば抱き着く形で声を出した。
あぁ、やっぱ嫌や。好みじゃ無いんやろな、俺の。
きっとそう。
トントンもそれに顔を少し赤らめて反応するものだから尚更。Aちゃんの様子を見ても、相変わらず無表情で、俺が引いている手も変わらず冷たい。
ma「行きましょうよ、トントンさん。私、」
tn「ちょっと待っとってください、俺もAの事…」
ma「…私よりも、あの子の方が大切なんですか」
tn「…っ、わ、わかった。大先生、悪いけどAの事頼むわ、あとでちゃんと迎え行くから」
ええよ別に、俺が帰りもちゃんと送り届けたるから。
なんて事は口には出さず、了承の返事だけして二人の姿を見送った。トントンが迷っているのは嫌でも分かる。二人で腕を組んだまま城の中へと姿を消した二人を見送って、俺とシッマはAちゃんを連れて庭園にあるベンチに座った。
気まずいなぁ、
kn「誰やねんあの女！！！！」
はーっ、と盛大にため息をついてそう言ったシッマに俺も激しく同意した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1349人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すみれいん(プロフ) - 零さん» す、すげぇ…もう…考える力が凄いです。素敵なお話ありがとうございます！！！ (2021年1月31日 17時) (
レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - おぼろどうふさん» えぇ！！！ついにですとも！！！ありがとうございます笑 遂にですね…本当に嬉しい限りです、ありがとうございます！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - シャノ＠楓さん» 声が…声が……声の重要性は感情が芽生えたからこそ分かったんです……声がぁ…（自分で書いてて悶えてます） (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - すみれいんさん» 飴ちゃんがこんな風にして使われるのは、knさんが飴渡し始めた時から構想にいれたりはしてました笑 ありがとうございます、そう言って頂けるととても嬉しいです！ (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 真さん» 書いてる自分もしんどくなってたりします……… (2021年1月30日 11時) (レス) id: c17c74b3a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：零
| 作成日時：2020年12月30日 18時
