脆い.05▽ ページ6
空になった皿を店主が片付けている。食器のカチャ、という音も海賊の話し声も全て遠くに聞こえる。
「最近の
『……もう18歳ですけどね』
「やっぱガキじゃねーか」
頬杖をついて笑う赤髪のシャンクス。酒片手に人はこれだけ絵になるのかと初めて知った。
恐怖と哀れみが入り混じった視線にそろそろ耐えられないので、ここから出ようと席を立ち上がる。
『そろそろ帰ります』
「なんだ、もう行くのか」
つまらなさそうにした赤髪は「会計頼む」と言ってどこから出したのか、金をカウンターのところに置いた。
『え、あお金は…』
「ガキが遠慮すんなって…すっげー嫌そうな顔」
今私はお面をつけた上からでも分かる程、嫌そうな顔をしてるんだろう。けど仕方ない。
四皇の奢りなんていう称号は欲しくない。
店主に「頑張れよ」とエールを送られた。
店主さん、ご飯美味しかったです。また来よう、と心に決めてから店を出る。
この後どうしようか…トリップって何したらいいの。
最近買い換えたばかりの携帯の存在を思い出して、ポケットを探れば画面が真っ黒なままの機械と化していた。泣いた。お先真っ暗って？
まったく草が生えない。
「なんだその黒いの」
後ろから覗き込む様に来たのは先程と同じ赤髪。
顔ちっか。自然な風を装ってさらっと赤髪から距離を取れば怪訝そうな顔をされた。
短くため息を吐いてから、使えなくなった端末をポケットに入れる。
もういっそ銃でも向けてやろうか…いや、ダメだ。ボコられる。確実にあのどっかのヒグマさんみたいになる。
『別に…何でも無いです』
「ふーん…なぁ、行く宛はあるのか？」
『ありますよ』
今日いちばんではっきり即答した気がする。特に行く宛も無いが嘘でも吐かないとこの四皇を引き剥がせないし。
"このシャボンディには海軍がな___"
あの武器商人のおじさんに言われた事。そんな事、原作を読んでいれば嫌でも分かる。
こんな馬鹿みたいに目立つ四皇が隣にいたら、確実に私の命が無い。この世界保険金とか無いでしょ絶対。
安心して死ねない。
「そういや、名前。名前聞いてねェな！」
誰が教えるもんか。
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ひかり(プロフ) - 続編楽しみです。 (2020年4月25日 13時) (
レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
リーナ - コメント失礼します！めっちゃ面白いです！！これからも頑張って下さい！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 4ce14ca331 (このIDを非表示/違反報告)
ソル - 白ひげ海賊団とどんな繋がりがあるのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 21時) (レス) id: 7bc681eabc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月4日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - トリップって難しいと僕は思います。なのにとっても面白い！小説アドバイス頂きたい位です！これからも頑張って下さい！ (2020年4月2日 10時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月10日 13時
