脆い.42▽ ページ43
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部屋に入るなり白ひげがマルコと目を合わせたかと思えば、マルコに「頑張れよい」と小声で言われ
部屋に一人取り残された。
いやまぁ、白ひげ、いるんだけどね。
ぎこちなく視線を宙に彷徨わせ、
どくどくと音を立てて早くなる拍動を落ち着かせる。
「まさか、海軍の船にいたのがこんな小娘だとはなァ」
ひとつそう呟いた白ひげは、腕に繋がる点滴を鬱陶しげにどけてから私の方を見た。
「…俺ァ、マルコから威勢の良い
『…』
「口も聞けねェのか」
目を細めて此方を見ては、不審そうに更に眉を潜めた白ひげ。何がしたいのか、何が言いたいのか。
ええそうですとも。
未熟者の私には考えなんて分かんないですよ。
深く息を吐いて、
白ひげを見上げる。
思っていたよりも高い天井がどんどん遠のいて見えて、微かに遠くで外で騒ぐ船員の声が聞こえる。
『小娘じゃなくてAです』
「…そうか、Aか」
『…』
「俺の事が、そんなに珍しいかァ？」
いや、
そう言う訳では無いけれど。
こんなに凄い人があの大きな戦争でいなくなるのだと思うと胸の奥が痛い気がして。
凝視してしまうのは、ただの癖。
助けてはダメだろうか。
どこかで見た英雄みたいに、格好良くみんなを救って白ひげ海賊団をこのまま、
"火拳のエース"を。
助けてはいけないだろうか。
『珍しく、無いですよ。
…ただの海賊じゃ無いですか』
うわー、言っちゃったよ。
イキってんな自分。
こうでも嘘吐かないと妙な情が沸く。
それは避けないと、
「生意気な小娘がァ…、」
『…それ、ちゃんと付けた方が良いですよ』
「どのみちそう長くは持たねェ体だ」
鬱陶しげに払われた点滴に目をやる。
それちゃんと付けろよ…
『死にませんよ…絶対』
死なせてたまるものか。
白ひげ海賊団に会えたのは何かの運。ここでこう話せているのも奇跡か何かだ。
原作は変えられないし、
きっとどう動いても強制的に元のルートに戻される。
それならば、
あの場で1秒でも長くこの人達を
死なせない様な努力を。
『そう簡単に尽きる命じゃ無いですし』
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ひかり(プロフ) - 続編楽しみです。 (2020年4月25日 13時) (
レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
リーナ - コメント失礼します！めっちゃ面白いです！！これからも頑張って下さい！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 4ce14ca331 (このIDを非表示/違反報告)
ソル - 白ひげ海賊団とどんな繋がりがあるのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 21時) (レス) id: 7bc681eabc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月4日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - トリップって難しいと僕は思います。なのにとっても面白い！小説アドバイス頂きたい位です！これからも頑張って下さい！ (2020年4月2日 10時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月10日 13時
