脆い.23▽ ページ24
銃の扱いに慣れてきた頃。
ふと黄猿が思いついた様な口ぶりで話す。
「そろそろ実践、といこうか〜？
わっしが相手をするから、君は全力でかかっておいで〜」
その案は、今思いついたものなのか。
それとも単純に訓練始めた時から、私が本当に戦闘経験ゼロなのか見極める為に決めていた事なのか。
それは分からないけど、
『……あの、今更ですけど。
何故私なんかの訓練で、黄猿さんなんですか』
「わっしが立候補したからだよ〜？暇だったしね〜」
あぁ、確定だ。
確実に、私を善か悪か判断する為だ。
仮にも海軍大将が、
捕まえた人間を簡単に解放出来ないんだろう。これでもしも、私が海賊だったらそれこそ信用が無くなる。
当然の判断。
「それじゃ、いつでもかかってきていいよ〜」
笑ってる癖に、目だけは怖いくらい真っ直ぐだ。
銃口の向きを確かめるみたいに。
そもそも、
この実戦に私に勝ち目無いんだから、取り敢えず撃つしか私に選択権は無い。
『…っ、』
重い銃を持って、
引き金を引いて、
何度繰り返しても当たる訳無くて。
それどころか定めがズレて黄猿は一歩も動かない。それでも当たらない。
微妙に半身を逸らして避けるだけ。
「狙い、定めてね〜」
あはは、と笑いながら。煽りか。煽り魔か奴は。
ちょっとだけ前に走って撃っても、
距離は何故か遠のく。
隙を狙っても、当たらない。
『くっそ…‼』
「落ち着いて撃たないと___」
君、死ぬよ。
多分黄猿が口にしたかったのはその言葉だった。
けれど、
それを言うよりも先にヘマしたのは私だったんだ。
見事…というか、
足下も覚束ない態勢で無茶苦茶に撃ったうちの一発が右頬に跳ね返る。
ひゅっ、と息を飲んだ。
死んだかと思った。
『…はぁっ、』
状況をより細かく理解するうちに、バクバクと音を立ててながら早まる拍動。
心臓が口から飛び出そう、こわ。
「ほらァ、言わんこっちゃないね〜。
今日はもうやめておこうか〜」
『いや、え。…だ、だってまだ』
「もう四時間近くやってるよォ？短い時間にしちゃァ、上達したんじゃないの〜？」
それは褒め言葉か否か。
何て返せばいいのかわからなくて、
黄猿と目を逸らしては足下に目線をやった。
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ひかり(プロフ) - 続編楽しみです。 (2020年4月25日 13時) (
レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
リーナ - コメント失礼します！めっちゃ面白いです！！これからも頑張って下さい！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 4ce14ca331 (このIDを非表示/違反報告)
ソル - 白ひげ海賊団とどんな繋がりがあるのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 21時) (レス) id: 7bc681eabc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月4日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - トリップって難しいと僕は思います。なのにとっても面白い！小説アドバイス頂きたい位です！これからも頑張って下さい！ (2020年4月2日 10時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月10日 13時
