脆い.12▽ ページ13
大きすぎる扉の前まで来たら「落ち着いてれば大丈夫だから」と青雉に言われた。
扉の奥から感じる威圧感は、一般人の私でも分かる。よくよく考えてみればまだ私はこの世界に来て半日くらいしか経っていない。
落ち着いてる状況の方がありえないんだよなぁ…。
「クザンです」と言いながら大きな扉をノックした青雉。一応常識はあるらしく、中からワンテンポ遅れて「入れ」と低い声が聞こえた。
「失礼します」
『し、失礼…します』
「…あぁ。クザン、お前がノックするのは珍しいと思ったがそういう事か」
一瞬その男の目には、期待の光があったが私を見るなり元の鋭い目つきに戻った。
この人が、
"仏のセンゴク"
「いや…まぁ。この子が例の…」
すっと青雉の視線が私に向いた。
『…Aです』
「判断するのは、一週間の保護期間を設けてからでも遅く無いかと」
真面目な事を言っているのに、覇気が感じられないのは青雉に対しての私の印象が悪いのか。それとも日頃の行いなのか、話し方なのか。
「そうだな」とセンゴクが低く言った。
「A、と言ったな。
…お前を解放しても良いんじゃないか、という案もあった。一つ、聞いておきたい。
何故、捕まる時に抵抗しなかった」
…んーと？抵抗は全力でしましたけど。
黄猿に向かってぎゃいぎゃい猿みたいに叫んだし。猿だけに…。オモロないな。うるせぇよ。
一人心の中で荒れるも、一旦頭の中を整理する。私は確かに黄猿に抵抗を示した筈だ。
もしかして、黄猿が強すぎてそれを抵抗と見なして無いとか？それとも、単に私がうるさかった事を黄猿が報告しなかったとか？
『…』
「…」
『…』
「…何か言ったらどうだ」
はぁ、と短くため息を吐いた元帥は頭に手をやって私と青雉を交互に見た。
「毎回毎回ろくに仕事をせずに、何故面倒事ばかり持ってくるんだクザン…」
その姿は苦労人そのもので、ふと机脇を見れば過労死するんじゃ無いかと言う程の山積みの書類があった。
『すみません…』
ジャパニーズ土下座精神で謝りたい程度には申し訳ないと思っている。
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ひかり(プロフ) - 続編楽しみです。 (2020年4月25日 13時) (
レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
リーナ - コメント失礼します！めっちゃ面白いです！！これからも頑張って下さい！ (2020年4月23日 20時) (レス) id: 4ce14ca331 (このIDを非表示/違反報告)
ソル - 白ひげ海賊団とどんな繋がりがあるのか楽しみです！更新頑張ってください！ (2020年4月19日 21時) (レス) id: 7bc681eabc (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？ (2020年4月4日 11時) (レス) id: e8084d140d (このIDを非表示/違反報告)
ミラージュミラー - トリップって難しいと僕は思います。なのにとっても面白い！小説アドバイス頂きたい位です！これからも頑張って下さい！ (2020年4月2日 10時) (レス) id: 1bda2ccaaa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年3月10日 13時
