▽緑茶と和菓子と真意 ページ6
つまり彼は、何らかの理由があって水やりの終わっていない畑からわざわざここまで走ってやってきたのだ。これ程までに作物を育てる事に熱心な人が、それを放棄してまでここへ来る理由。
「勘が良いんだね」と此方を見る顔。背後にある太陽と被っている軍服に見合った帽子の所為で目元に少し影がかかっている。
ht「グルッペンに言われて慌てて来た。…って言ったら、どう思う？」
『…別にどうも思いませんよ。敵だった人間が幾ら仲間になったとはいえ、一人で歩かせる訳にはいかないんだろうし。近場にいた貴方がここへ来るのも納得出来ます』
ht「あれ…俺が説明する必要無い感じ？」
『…ある程度は。オスマンさんも呼ばれてたので、それ関連でしょう？』
ht「ノーコメントで…」
図星か。「悪気は無いよ」というひとらんらんさんは多分本当に良い人なんだとは思う。
ここへ走って来たのも、万一に備えての事だろうし当然の判断だと思う。それを指示したのがあの総統だというのは負けた気がしてならないので素直に喜びはしないけれど。
ht「あ、けど…水やりしないかなと思って此処へ戻って来たのは本当」
『水やり…』
ht「まさか、した事無い…」
『…向こうだと使用人がやるんで。それなりに知識はあるんですけどね』
ht「へぇ…行こう」
呆れ顔の彼は先程の顔が嘘だったかの様。
重そうな箱の中には肥料だとか苗木だとかが入っていて、少し待とうかなと手を伸ばしたらその手を制された。
「女の子に重いもの持たせられない」、と。今更何の配慮だと少し拍子抜けした気分だがここはお願いしておこう。代わりに彼の持っていたホースを受け取る。
めちゃめちゃ軽いのでこれを持った意味があるのかは分からないけれど。
ht「なんか不思議だね。この前まで敵だった子と、仲良く肩並べて水やりしてるって」
『はは…ごもっとも』
ht「仲良しは否定しないんだ？」
『言ったのはひとらんらんさんですし』
ht「それ、ひとらんでいいよ」
何か共通の話題があると言う訳でも無かったけど、一緒にやっていくうちに少しだけ距離が縮まった気がした。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
