▽素直な紳士の登場 ページ43
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zm「じゃ、行くか」
『え…どうやって』
zm「壁登って」
『別にいいですけど…ちょっと待ってください』
このままの服では登るものも登れない。折角だけれど仕方ないからドレスの裾を破ろう。
そう思って腰を屈めて服に手を掛ければ「何してん！」と慌てた声が聞こえて来た。それは紛れも無いゾムさんの声でドレスから手を離して彼に疑問の視線を向ければ、当然の様に私はゾムさんに担がれた。
『え、ちょっとゾムさん？？』
軽やかに私を担いだゾムさんは深くフードを被り直して門兵より更に遠くに走って一本のロープが下げられた壁に手をやった。
どうやらこのロープを使って降りて来たのか、神出鬼没にも程があるが彼ならやりかねないと何となく理解してしまった。
zm「折角綺麗に着飾って貰ったんやから、ちょっとは考えろや」
それだけ言ったゾムさんは付け足して「しっかり掴まっとけ」と言ってロープを伝って壁を登って行く。
辺りが暗い所為で、門兵からも気づかれる事なくものの数十秒で壁の天辺まで上がってしまった。
そこで私をゆっくり下ろしたゾムさん。
珍しく…というか、彼が意外と紳士である事に驚いている自分がいるのだがこの際彼に甘えておこう。
ドレスは破られる事なく、ここへ登る前の変わらぬ姿を保っている。壁の上から見下ろした城はとても窮屈に見えた。
あんな狭い場所の為に用意されたこんな外見だけの服なんて破ってしまえば良かったと少しだけ後悔。
zm「俺はロープの回収あるから、先下連れてくわ」
そう言って再び私を担ごうとしたゾムさんに首を横に振る。黙ったゾムさんに『お気になさらず』と言えば何かを察したのかそれ以上なにも言わなくなった。
それに、どうせ下へ降りて私だけ外にやって再びゾムさんだけがロープ回収の為にまた登るなんて効率が悪すぎる。
早くこの場から去らねばならないのなら尚更な事。
私は結局、ドレスの端を少しだけ破って下へ繋がるロープを手にやって慣れた手つきでそれを伝う。新兵時代によく習った訓練にこんなのがあった様な…
下まで無事に降りて、確認の為に上へと伸びるロープを引っ張れば壁の上で少し緑の影が動いてその影は壁の向こうへと消えていった。
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しおりん(プロフ) - ふ〜ん！3ｺﾒ！続編おめでとうございます(о´∀`о)更新大変だと思います､頑張ってくださいね(*´▽｀*) (2020年6月23日 23時) (
レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
さわー - ふーん、2ｺﾒ!続編おめでとーございますっ！更新楽しみにしてますっ！(ですが無理はせず！) (2020年5月26日 15時) (レス) id: 14d9286bf4 (このIDを非表示/違反報告)
ピーたー - ふーん、1ｺﾒ！続編おめでとーございます！更新待ってます！ (2020年5月26日 12時) (レス) id: a37e444ba1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：零
| 作成日時：2020年5月24日 14時
